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2018年4月25日 (水)

高校進学研究チーム

 

  外国ルーツの子どもたちへの日本語・教科学習支援の一環で進学支援のチームが立ち上がった。

 私たちが抱えている課題に、高校進学で苦しんでいる子どもたちをいかに支援するかがある。
 行政と組んで 「高校進学ガイダンス」 などを実施しているが、残念ながら、日本語力に問題があるために、中学三年生になってから慌てても間に合わない事例が少なくない。

 中三になって、入試問題を理解する力をつけ、対応する学力をつけようとしても難しいとしたら、その現実はかなしいことだ。

 私たちは、子どもたちの個性と多文化の強みに大きな可能性を見ている。一人ひとりが挫折することなく、自分の人生を切り拓いていってくれることが何よりの願い。
 こうした意味では、私たちの日本語・教科学習支援は、学校の授業についていくだけの補習の
場にとどまることはできない。

 進学支援チーム発足に向けて、団体代表との準備段階では、以下の大まかな4方針を確認していた。
1) 受験生個々の受験や進路に関する希望を把握すること
2) 学力を (国語力を軸に) 見極めて、各自の対策を支援すること
3) できるだけ、所属する中学校の担任教諭と連携をとること
4) 受験科目で (基礎問題を確実に解くことで) 60%取れる支援をめざすこと

 チームは、先日21日の総会の席で、メンバーを募集し、7名が集って話し合いをもった。
 子どもたちの実態を踏まえた、有意義な話し合いができたと思う。

 今年の中三生の実態はきびしい。
 来日の時期によってやむをえない面もあるが、「日本語の基礎」 が固まっていない実状は、きわめて残念。
 つまり、入試問題を読んで理解できない現実からスタートしなければならない。
(埼玉県の入試問題は、東京都のように、入試問題にルビが振られる等の考慮がない)

 どうしたら良いか?
 実は、子どもたちには少なくとも来日後2年間で、計画的な支援が必要なのである。

 国語を担当する私の実感では、子どもたちの 「日本語の基礎」 は、小学校中学年 までにひとまず確立する。3~4年生の段階が非常に大切だ。
 この段階を日本で過ごし、きちんと国語を学習しているならば、その子は日本語修得において極めて有利である。

 それも、学校の教科書と共に、(入試に対応するには) 若干ひねった日本文にも対応できることが実用的基礎となる。
 野球で言えば、直球レベルのみでなく、若干複雑な変化球レベルへの対応。

 日頃、直球レベルの <やさしい日本語> の普及を提唱している身だが、対話でいきる日本語は、論理的に文章を理解し、話を組み立てる力を伴うと考えている。
だからこそ、<やさしい日本語> を正しく論理的に使いこなすことが問われる。

 そのためには、小学校段階で日本語の基礎をしっかり固めて、それ以降は、その基礎を踏まえて、文章を論理的に深く読み解いていく。
 実は、こうした国語学習は、外国ルーツの子どもばかりでなく、日本人の子どもたちにも不可欠な学習法と私は考えている。

 このようなことを互いに出し合ったのち、方策として、まず、子どもの日本語力 (国語力) を、私を含めて面接しながら、教室担当者と共に見定めること。
 次に、英・数・国3教科について、県立入試の傾向と対策を研究して、早急に 「これだけは!例題集」を作成し、たとえ付け焼刃でも手当すること。
 しかる後に、できるだけ早めに、過去問を検討する学習にはいることが決定した。

 なお、進路支援にからめて、現在、考えているのは、漫画版 『君たちはどう生きるか』 の活用。

 すでに試した方によれば、内容が内容だけに、漫画を楽しむよりも 「わからない」 という反応だったようだ。

 しかし、私は教材化の可能性はあると考えている。
この本の読み合わせ学習が、どの学年の、どのレベルで可能かを自分の眼で検証したい。
 登場人物の役を割り振った読み合わせを楽しむ場をつくることができれば、生き方をまじめに考える格好の教材となるはずだ。。

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