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2017年5月29日 (月)

外国人生活相談入門書

 先日の 「埼玉日本語ネットワーク」 春の研修会の柱は 「私が出会った外国人 ~ ボランティアと外国人事情」 と題する講演だったが、講演資料として 『外国人生活相談入門書』 の配布を受けた。

 講演者はNPO法人ふじみの国際交流センター理事長の石井ナナエ氏。

 手元に同類の冊子として、県民生活部国際課発行 『外国人の生活ガイド』(2016年版) があるが、NPOとして長く地元で活動してきた経験を活かしたこの冊子には、行政の制度ガイドを超える具体性があると感じる。

 講演内容は資料の解説を兼ねていた。


 2016年末日本で暮らす出身が外国の人びとは約300万人居るが、そのうち80%はアジア出身である。
 その在留資格(ビザ)は27種類あるが、大きく分類すると次の三種。
(1) 仕事が具体的に特定されているビザ
(2) 働いてはいけないビザ (資格外活動が許可されると週28時間アルバイト可)
(3) どんな仕事でもして良いビザ (永住者・特別永住者の他に日本人の配偶者等)

 外国人生活相談に強く関連するのは(2)(3)のビザの人たち。
特に近年は国際結婚、離婚が増加しており、DVも伴って大きな問題が生じている。

 総合的に課題となるのは、
● 日本には在住外国人に対する担当省庁がないこと。
● 第2言語としての日本語指導の制度がないこと。
● 国際離婚を経て外国人同士の結婚が増え、同時に生活が日本語でない家庭の増加。
● 結果として、日本語がわからない日本国籍の子どもの急増
● 生活困窮者の増加や難民申請の増加
などである。

 講演では、行政や制度があやふやな現状で、まず重要なのは、日本語支援であり、日本語が自由に使いこなせるようになれば、大半の悩みや問題は道が拓けると語っていた。
 さらに、家族ではないけれど、実状を理解している 「重要な他人」 として関われるボランティアになっていきましょうという話だった。

 私は、話の大半に共感したことを前提にして、最後に、こうした活動は 「多文化共生」 の追求であり、「同化」 を進めることとは一線を画すべきだが、どう考えるか質問をした。
 石井さんは答えて、「みんな違っていていい」 を前提に、第2言語に堪能になる便利さを保証することの重要性に落としこんでくれた。

 人権が尊重しあえる社会統合のあり方に、改めて問題意識を持つことができた貴重な研修だった。

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