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2016年8月29日 (月)

一休と釈迦の悟り

8月は仏教の ”悟り” に関する読書が印象に残っている。
それは 「一休の大悟」 にはじまり、「釈迦の悟り」 に至った。
今日の記事は、それに関する備忘録。

 一休和尚についてどうして調べる気になったのか、今は思い出せない。
何かに誘われるように 「一休の大悟」 という言葉に出会い、大悟とは果たしてどういうことかを知りたいと思ったのである。

 図書館でかなりの本を検索し、取り寄せてもらったりして何冊か読んだ。
そのなかで、印象に残っている三冊をあげれば、
・ 『一休・正三・白隠』(水上勉、ちくま文庫、1987)
・ 『一休』(水上勉、中公文庫、1997)
・ 『森女と一休』(町田宗鳳、講談社、2014)
を挙げよう。

 一休宗純は24歳のとき、旅の法師の平曲を聞き、無常観を感じて、次のように詠んだ。
「有漏路より無漏路に帰る一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け」

 人生は煩悩のこの世から、煩悩を超えた来世までの一休みのできごと、雨が降ろうが風が吹こうが大したことではない、というわけである。

 この歌がのちの 「一休」 の号の由来であるが、この境地を得た宗純はこの夜、「洞山三頓棒」 という難しい公案を通過したという。
 「洞山三頓棒」とは、
「最近お前はどこに居たのか?」
「どこで修行してきたか?」
「いつそこを発ってきたのか?」
これに普通に答える ”たわけ者” は背中に60棒を受けることになる禅問答である。

 こうした逸話を経て、その3年後、一休の大悟が生じる。
真夜中に、鴉の鳴く一声をきいた瞬間だった。

 27年間も悟りを得ようと、分別らしきものを求めて悩み苦しんできたが、鴉に笑われて、そのようなこだわりや執着とかの以前にあるものに気づいたのである。
あるものは、ただ ”大自然の摂理” だけなのだと。。

 「十年以前、識情の心、瞋恚豪機即今に在り。
   鴉は笑う、出塵の羅漢果、昭陽日影玉顔の吟」

 「一休の大悟」 とは、俗に言う 「色即是空」 の境地なのかと思う。
言葉で捉えるのは容易だが、修行の果ての 「空」 の悟りはそう簡単には共有できない。

 ここには大きな学びがあったが、私は更に、晩年の森女との関係に深い関心を抱いた。
ここには、空しき世を空しからざるものにする自然の摂理があった。
「森女との悟り」 は 「一休の大悟」 と並んで、人間の悟りの双璧だと私は思う。

 さて、月末になって、私は2冊の刺激的な本に出会った。
・ 『まんが 「ブッダ」 に学ぶ 穏やかな働き方』 (手塚治虫、プレジデント社、2016)
・ 『夢がかなう脳! 「悟りの力」 が脳力を全開にする究極メソッド』 (苫米地英人、PHP研究所、2014)

 特に、苫米地氏の著作は天才的名著であると思う。
私が仏教に関して、不明だったところを見事に解明してくれている。

 「釈迦の悟り」 の中核を 「縁起」 と喝破している。
すべての存在は関係で成り立っている。
関係が存在を生み出す。(存在が関係を生み出すのではない)

 これによって、釈迦は、アプリオリな絶対的なものなど何もないと悟った。
「諸行無常」 が真理。未来永劫変わらない普遍的な実体など、この世にはない、と。

 ここで、先の一休の 「色即是空」 とつながる。
そして、苫米地氏の天才的解釈は、ここからだ。

 すべては関係性のなかにあるならば、自分の存在はそこで何らかの役割を果たしているのである。どんな役割なのか、それが大乗仏教では大きな課題になる。

 役割を果たすということは、極端に言えば、自分のことだけを考えることではない。
関係性の中にある人間の課題は、「縁起の悟り」 から発して、どのように利己的な煩悩を克服して生きることができるかである。

 苫米地氏は、ここでコーチングとしてゴールの重要性を書いている。
自分が自己実現するためのゴールとは何か、と。

 さて、こうして、大自然の摂理に生きようとする生き方と、自己実現をめざそうとする生き方の両極端を見たが、これらに矛盾はない。

 手塚治虫の 『ブッダ』 の終盤は、欲望の数は苦しみの数、「ない」 を嘆かず、適量に生き、「人のため」 が一番うれしいこと、と展開している。
 これはまさに苫米地氏の解釈と一致するが、自然のままに 「足るを知る」 こと、利己的な煩悩に囚われるだけでは幸福はない、ということなのだ。。

 以上、仏教的悟りとそこからの生き方を簡単にまとめた。
この夏の学びに乾杯!!(笑)

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