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2016年1月10日 (日)

チーム 「FAD7」 の方向性

 「FAD7(セブン)」 は、拓殖大学開発教育ファシリテーター講座AD (アドバンスト) コース第7期 (AD7期) の参加者によるチーム名である。講座が終わっても、参加者によるつながりは 「学習する組織」 として継続したいということで形成された。

 現在AD7期は年度末のフォーラムを実践の場として準備を進めているが、そこでのテーマをどうするか、自発的組織の方向性をどうするか、について、重要な局面にある。

 私からすると、これはADコースの学びの最も重要な課題にみえている。。


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AD7期の皆さま
 いよいよ年を越し、2月27日(土) の第10回フォーラムまで丁度 50日となりました。
ここで、最も重要な課題の確認をさせてください。

→皆さんは、ADコースの最終的実践の準備の最中にいるのですが、
 実は、ADコースの最重要課題に向き合っているのです。

 ADコースが 「対話の普及する社会」 をめざしていることは既に確認済みですが、この対話 (ダイアログ) は、社会に普及していないという認識が前提にあります。

 もともと、ダイアログは、古代ギリシャで尊ばれた非常に古くからある考え方ですが、現代社会では失われたのも同然になっています。(『学習する組織』、p.322)

 この現実に対して、私たちはファシリテーションの応用として、「ダイアログ・ファシリテーター」 について研究してきました。
ADコースの内容の端的なキャッチフレーズは、
「ファシリテーション+対話(ダイアログ)のマスター」 となるでしょう。
学校の授業で言えば、参加型で気づきを促進するのみならず、対話で創発を生み出す対話型授業を構想する、ということです。

 そして、
今現在直面しているであろう局面が、ダイアログ・ファシリテーターにとっての究極の局面なのではないでしょうか。

 皆さんは、フォーラムをどう企画運営するかに関して、FAD7の理念と一致させようとしていると思います。
そして、バラバラな状況をどうしたら良いか途方に暮れることすらあるはずです。

 実は、これは 「学習する組織」 のチーム学習そのものなのですね。
通常コースでは、真に乗り越えることはできなかった課題です。

  ちなみにYさんはADコースの志望理由にこんな文章を寄せてくれています。
手元にないのでうろ覚えですが、敢えて書くと・・・、
「通常コースのアクティビティ作成で、ほんとうに皆の思いが集約されず、なんとなく妥協的にアクティビティを作成してしまった。
少なくとも私にはそのようなモヤモヤが残った。
これをどうしたら、チームとして皆の総意を集約できるのかを学びたい」

  概略はこんな内容でしたが、私はこれを読んで、「学習する組織」 のチーム学習のスキルはADコースのカリキュラムにあるし、実践の場も用意できるから、Yさんの志には応え得ると確信をもったものです。(^-^)
まさに、コミュニケーションの根幹に関わる課題として。

  さて、カリキュラムで学んだことは 「チーム学習」 におけるダイアログでした。
ダイアログ・ファシリテーターにとって必須の基礎知識は、ダイアログの提唱者D.ボームによる三つの基本条件です。(『学習する組織』、p.328)

1 参加者は自分の前提を皆の前に保留する (吊り下げる)。
・・・自説に固執せず、意見交換に柔軟に対応する。
2 参加者が互いを仲間と考える。
・・・チームに敵対的しがらみがあるなら、まず関係性から変えなければならない。
3 ダイアログの文脈を保持する進行役がいなければならない。
・・・ファシリテーターは全2項を踏まえて、ディスカッションにならないように看守る。

 こうした基本条件に、今回はもう少し補足しましょう。
参考文献 (最重要な10冊) にある 『学習する組織』 (P.センゲ、英治出版、2011) のP.349-365には、チーム学習のダイアログの練習について書いてあります。
ここを読み込むと有益です。
特に、P.354に次のような 「推奨される基本原則」 がありますね。

「推奨される基本原則 :
1 前提の保留。
 一般に人はある立場をとり、それを弁護し、それに固執する。
 ほかの人たちが反対の立場をとると、分裂が起こる。
 この会議では、私たちの方向や戦略や根底にある前提を検証することをめざし、
 その前提を弁護しないようにしてほしい。
2 仲間として行動する。
 全参加者に肩書きは持ち込まないようにお願いする。
 この会議では序列は一切ない。
 ただしファシリテーターは例外で、話し合いを順調に進めてくれることを望む。
3 探求の精神。
 自分の意見の背景にある考え方、心の奥底にあるかもしれない前提、その意見の
 裏づけとなる論拠を探求し始めてほしい。
 よって 「どのようにしてその意見、考えになったのですか?」 や 「なぜこれについて
 質問するのですか?」 などの問いを発するのが原則にかなうだろう。」

  この基本原則の方が補足的かつ実践的でしょう。低通するものを探求し、その共通項から新しいパラダイムを共創する可能性が示されています。
この 「共創」 が弁証法における 「止揚」 にほかなりません。

  自説に固執せず、各自の思いを共有することで、その根底に共通するするものを見いだし、その源から互いにウインウインな新しいパラダイムを切り開くのです。
源を探求することは、Uの字を深める営み (U理論) とも言えますね。。

 私が問うているのはこうしたADコースの最重要課題 (ダイアログの実践) なのです。
FAD7にとってのありたい未来をファシリテーターとして描き出すことです。
言いかえると、Yさんの問題意識を実践的に乗り越えることです。

 肝心なのは、肩に力を入れ過ぎないで、お互いに呼吸を合わせる時間を確保することだと思います。そこに新しいパラダイムグが出現するはずです。
がんばってください!

「努力したけれど完全には出来なかった」
「対話 (ダイアログ) の難しさが改めてわかった」
・・・ありえます。

  「苦労は買ってでもせよ」 や 「我に艱難辛苦を与えたまえ」 ではないけれども、こうした場数を踏んだことが、ADコースを修了した証です。(^-^)
皆さんなら何らかの打開を見いだせるはずと思っています。。

なお、今回のメールの前提となる前回メールをブログにアップしました。
→ ADコースの方向性
http://bit.ly/1MUB4P3

以上、まずは取り急ぎの激励として

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