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2015年10月26日 (月)

ふりかえりの醍醐味

 ファシリ講座の通常コースでアドバンストコース受講生がモデル授業を実践した。
素晴らしい実践だったが、ふりかえりの観点別評価では深掘りした課題を共有できたように思う。それはどんな内容だったかをまとめておく。

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AD7期の皆さま、小貫です。
14日は素晴らしい実践を、お疲れさまでした。
「モデル授業」 としては相当にレベルの高いものでした。

さて、一週間後、通常コースで 「モデル授業」 の ”検討” を行いました。
あくまで、参加者として感じた素朴な意見交換でしたが、観点を明確にしたことで、かなり深い検討ができたように思います。

私は、それを背景に、ここに重大な課題を2つ提起しますね。

● 課題1:

評価の観点は、A (基礎)、B (応用) に分けています。
課題1はA (基礎) に関してです。

提示した観点は、以下の10観点。
1.安心・安全な場づくりができていたか?
2.アクティビティの全体構成はメリハリがあったか?
3.「つかみ」 でのアイスブレイクで緊張は氷解できたか?
4.アクティビティは参加型で楽しめたか?
5.ワークの問いは適切だったか?
6.ファシリテーターは意見を引き出し~つないでいたか?
7.ワーク途中に混沌 (ジレンマなど) を感じたか?
8.ワークの分量は適切だったか?
9.タイムマネジメントはうまくいっていたか?
10.ワークを通して、有意義な気づきを得、それを共有できたか?

これらを、Yes/Noで答えてもらったところ、ほとんどがYesです。
(さすが、AD!)

「ほとんど」 とは、満点も多いですが、Noが幾つかあったということです。
どの観点か分かりますか?

答えは、次の3種に集約されました。
5.ワークの問いは適切だったか?
7.ワーク途中に混沌(ジレンマなど)を感じたか?
8.ワークの分量は適切だったか?

記述欄には 「もっと考えさせてほしかった」 「流れるようで止まる時間がなかった」 などとあります。
こうした感想は、参加者にしか書けないコメントかもしれません。
こちらは思惑通り進めたつもりで、実際は 「深める」 ための配慮が不足したのです。

実は参観者の私も、これを感じていました。
つまり、急がないで、考える時間をもっと保証すべきだと。
参加者は、ランキング、ワールドカフェ、クロスロード各場面で感じていたようです。

参加型の ”しかけ” はほれぼれする程でしたが、その深め方にはもう一工夫必要でした。

ひとことで言えば、「盛り込み」 すぎ。

準備段階では盛り込みすぎて良いと思います。
過不足のないように十全に準備する。
けれども、場のプロセスを観察して、臨機応変に対応しなければなりません。
普通は、講演などでも、10の切り口を用意して、実際は8つこなせば出来すぎ、というのが実際のところでしょう。

もっと専門的に書けば、課題は 「場のプロセス観察」 と 「臨機応変な対応」 です。

私のADの授業でも、ワークを3つ用意していても、2つしかできないのが通常。
無理して3つやろうとすると、至るところにほころびが出てうまくいきません。

これが課題1です。
ワーク準備とFの運用上の心得に関する課題でした。

● 課題2:

課題2は、B (応用) に関してです。

これは、”学び” とは何かを、どう捉えて実践するかに関連しています。

提示した観点は、次の3つです。
A.多様な意見交換と内なる混沌を経た気づきに至る学び → 深い気づき
B.自己変容 (成長1) に至る学び → 立ち位置の変化
C.態度変容 (成長2) に至る学び → 行動 (プロジェクト) につながる

A.は通常コースと共通し、Bも若干かぶりましょう。
C.は、通常コースにはレベルが高すぎるかもしれません。
(なにしろ、素材を咀嚼して参加型の ”しかけ” を作るだけでも大変ですから)

開発教育の教育方法論では、「知る~考える~行動する」 のプロセスが大切にされてきました。
講座では、「知る~考える~変容する~行動する」 と修正して共有してきました。

このプロセスで、問題は 「行動する」 部分です。
深く考えることは重要ですが、「答えはありません」 とする姿勢と結果を、ADでは警戒しています。

学校でなく社会では、たったひとつの正答を ”教え込む” 教育では通用しないのは勿論、「解のなき時代」 に、だからこそ、「答えはありません」 ではなく、自分たちの (企業なり地域の) 「解を創り出す」 力を大切にしたいのです。
(アイデア豊かに解を ”創る” ワークショップが問われます)

・・・
つまり 「ワークショップのためのワークショップ」 を超える姿勢です。
明日を創造することで未来を切り拓くことにしか、企業なり地域なりが生き残る道はない
ということ。

これが、課題2です。

これらのために、どう対応したら良いのか、それがADコースの学びです。
ワークショップを通して何かを生成していきましょう。

今回の実践は、ちょうど年度の半分 (道半ば) における貴重な場でした。
そして、私たちは乗り越える視点としてイノベーション・ファシリテーターの視点の入口に立っています。

授業実践を厳密にふりかえることと、『イノベーション・ファシリテーター』 を深く理解すること、この2つの課題に向き合わなければなりませんね。
そして、そこから、実践のための得難いノウハウを身につけていきましょう。

ADでの私の授業はあと2講 (第8+10講) です。
皆さんの希望も受けて以下のような内容に修正します。
○ 第8講 : 「国際協力と方法論」
 モデル授業総括+『手ごわい問題は対話で解決する』 (南アの事例研究)
○ 第10講 : 「ジェネレイティブ・ファシリテーター論」
 『イノベーション・ファシリテーター』+U理論と弁証法のまとめ

これらに、香取先生のホールシステム・アプローチのワーク体験が挟まります。
○ 第7講 : 「フューチャーサーチ」
○ 第9講 : 「OST (オープン・スペース・テクノロジー) 」

今後とも、ADのチームとして共に学び続けましょう!
まずは先日の報告及び今後の連絡まで


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