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2015年3月28日 (土)

アドバンストコースの集大成に当たって

 来年度の 「開発教育ファシリテーター講座」 アドバンストコース開講にあたって、その指針をまとめておこう。来年度アドバンストコース (7期) は、私にとっては最後の授業づくりとなる。これまで6年間の実践を踏まえて集大成としたいと考えている。
 以下は、アシスタントのG氏に送ったメールの要約である。

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 ADコースは、募集要項にもあるように、次のふたつのねらいをもっています。
1) 通常コースの学びの上に、内容と方法の高度化を図る。
2) 現場に即した具体的なアウトプットをめざす。

 これまでは、このふたつのバランスがうまく行ったとは言えないことを反省しています。
参加者の主なニーズは、2) であり、通常コースの学びを実践につなぐことを望んでいます。
ところが、スタッフサイドは、1) が軸で、それが講座の理念でもあることから、ここに微妙な食い違いが生じていました。

 厳しく言えば、私は 1)を優先している結果、参加者のニーズに寄り添うことができていなかったのであり、一方、参加者は通常コースを超える新たな理論的学びに強い意欲を欠いていた実態があったように思います。

 今回、これまでを集大成するに当たって、私はこの事態をダイアログの観点で止揚したいと考えます。

 この対立の中に生成される新しいパラダイムは、ファシリテーションを実践につなぐニーズに寄り添いながら、より高度なファシリテーションを志向することです。まず重視すべきは、参加者のニーズに寄り添うことです。
 その試金石が、年度末フォーラムの企画・運営となるでしょう。

 そのために、高度なファシリテーションを深く学ぶために、既刊 『教育ファシリテーターになろう!』 (弘文堂、2015) に書いたさまざまなスキルを身に付けてもらいます。
 予習すべき内容は少なくありませんが、それを 「反転学習」  (課題図書) でこなし、授業はそれを深めるアクティブ・ラーニング (ワークショップ) を展開します。

 高度なファシリテーションのための学びの軸は、具体的方法としての 「ホールシステム・アプローチ」 であり、そこでのファシリテーションのあり方。さらに付随して、「対話 (ダイアログ)」、「学習する組織 (学習する学校)」(「システム思考」 含む)、「U理論」 などです。

 そうした 「場を創りだす理念と背景」 の学びの上に、参加者各々の分野に応じて、実践に向けたアイディアをさまざまにプランし、授業の中だけでなく積極的に発表の場を創りだしていくことが重要です。
 もちろん、発表の軸となるのは、企画・運営の場が唯一保障されている年度末フォーラムにほかなりません。

 ADコースの中身は 『教育ファシリテーターになろう!』 第2部に端的に示してあるわけですが、その内容を体験的・理論的に学んだ素養の上に、通常コースの学びの実践というよりも、むしろアドバンストコースの学びの実践が問われます。
・・・ これが 「参加者と共に学び、共に授業を築く」 究極のねらいです。

 なお、よく聞く声ですが、
「現場には、ファシリテーションを実践する場がない」 という受け身な嘆きや、
「学校現場では、受験のために知識を優先的に教え込まなければならないから、ワークショップ型授業などは無理だ」 という先入観 (無気力な信念) に対しては、
「では、あなたはどうしたら良いと思いますか?」 と問い、志を確認し続けます。

 まずは集大成に向けての私の覚悟を書いてみました。
共有していただけると幸いです。
Gさんの冷静な意見が、私を支え・修正させてくれると考えています。
よろしくお願いいたします。


<参考> 「 2015年度カリキュラム 」

第1講 オリエンテーション / (理論編1) 開発教育詳論 : 担当 赤石和則教授
第2講 (実践編1) ファシリテーション研究 : 担当 石川一喜准教授
第3講 (実践編2) ワールド・カフェ : 以下実践編担当 香取一昭ゲスト講師                 
第4講 (実践編3) AI (アプリシエイティブ・インクワイアリー)
第5講 (理論編2) 学習する組織と対話 (ダイアログ) : 以下理論編担当 小貫
第6講 (理論編3) 対話型授業とラーニング・ファシリテーター
第7講 (実践編4) フューチャーサーチ
第8講 (理論編4) 国際開発と方法論
第9講 (実践編5) OST (オープン・スペース・テクノロジー)
第10講 (理論編5) ジェネレイティブ・ファシリテーター論

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