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2015年2月 8日 (日)

アドバンストコースの学びのあり方考

 拓殖大学の社会人講座:開発教育ファシリテーター講座アドバンストコースは今6期が終わろうとしている。最終講義を14日に控え、参加者の今年度の総括の声がML上で活発だ。こうした声はとても重要である。忌憚ない意見交換の場があることはありがたいことだ。

  ここでは、直近の私の投稿を書きとめておきたい。
私の中では、ある程度、今後の改善点をイメージしているので、そのメモを兼ねている。

この講座は、ファシリテーションの応用を学ぶ場として、ホールシステム・アプローチを学ぶ。
日本の第一人者・香取一昭氏をお招きして4つのワークショップを体験できる内容を柱としている。ただし、講師に任せきりでなく、他の6つの授業を含め、
どのように授業全体をプランするかは結構難しい課題だ。

以下、私の7日発の投稿内容をまとめておこう。


--

Yさん(匿名)、皆さま
小貫です。

◆ Yさん、あなたの思慮深い、総合的建設的な発言に、私はカンフル剤を打たれた思いです。

 Aカヘン 『てごわい問題は対話で解決する』 の所感、とても嬉しく思います。

> 内容をちょっと話したら大学1年生の娘が興味を示し、
> 「読むから」 と持って行かれてしまいました。
> 今年の夏からアメリカ留学を控え、人生いろいろ考えているようです。
> もしかしてこの本との出会いが娘のこの先の進路に影響をあたえるかな?
> とちらっと予感がしたりして?

とありますが、確かに、特に序章・パート1 あたりには、今日的物の見方・考え方が書かれており、(そして全体として複雑な問題に向き合う肝となることの描写も含めて)、この夏留学する娘さんのキャパを大きく拡大してくれることでしょう。
素晴らしい逸話だと感動しました。

 折しも、今日の朝日朝刊には 「18歳選挙権成立の見通し」 の見出しが躍っています。
市民教育の観点から、喜ぶべきと思います。
  政治的無関心が横行する中、その克服は ”教育の力” に待つしかありません。
政治的無関心だから18歳選挙権は時期尚早という無力感まる出しの議論もありますが、発想が逆でしょう。

 関連して、このMLでは、実践に役立つかたちの学びにもっと配慮したいという建設的意見が出ています。(ありがとうございます)
さらに、私はYさんの発言をもう少し総合的なものとして受け取りました。

 Yさんは、今回使用する文献を含め、授業で使ってきた4冊の本を読み込むことの大切さを示唆してくれました。
その4冊とは、次の通りでしたね。
・熊平美香 『チーム・ダーウィン』
・香取一昭&大川恒 『ホールシステム・アプローチ』
・同 『ワールド・カフェをやろう』
・Aカヘン 『手ごわい問題は対話で解決する』

 私がYさんと共有したいのは、ワークが大事というけれど、そこにはお互いを高め合う基礎的素養や学識に裏打ちされたものがなければ、不足があるという観点です。

 Yさんの示唆によって、このアドバンストコースがめざす 「より深い学識」 & 「より実践的な学び」 のあるべき姿が総合的に見えてきます。
講座のプランナーとしてはまさに同意です。

 Yさん、ありがとう!

 もっとも、ちょっと褒めすぎかな?(笑

◆ 先日のメールあたりから、”厳しい小貫” の側面が皆さんに引き出されているので、もう少し深めます。

 Yさんの4冊は、授業で使った 「必要最小限」 の必須文献です。
私が折に触れて言ったり書いたりしてきた参考文献は他に6冊、合計10冊。
その6冊は、次の通りでした。
・Pセンゲ 『学習する組織』
・同 『学習する学校』
・Aブラウン&Dアイザック 『ワールド・カフェ』
・Dホイットニー&Aロステンブルーム 『ポジティブ・チェンジ』
・Mワイスボード&Sジャノフ 『フューチャーサーチ』
・Hオーエン 『オープン・スペース・テクノロジー』
(これらは近著 『教育ファシリテーターになろう!』 の参考文献にもあります)

 全10回皆勤する人はいますが、全10冊読破する人はほとんどいません。
参加した以上「骨までしゃぶる精神」で読破した人材は私の知る限り2人だけです。
結果として、その人たちは、さすがに、言うこともやることも抜けています。
敢えて名をあげましょう。1&4期のM.Gさんと5期のM.Oさんです。

 でも私は、講座にそこまでの勤勉さを求めていませんでした。
皆は社会人であり、大学院の学生で研究者の卵ではないからです。
あまり頭でっかちになっても、行動とのバランスが心配です。

 もし仮に、皆が大学院で小貫ゼミの院生だったとしたら、
私は、春のうちにj重要書籍10冊以上を集中的に読破してもらいます。
理論武装を終えたら、夏頃からワーク形式で学び合いましょう。
そして、年度後半から、現場主義で国内外の調査・研究に旅立ちます。
最後は、そうした学びを総括して発表し、報告書にまとめます。

 これは私の友人だった故下羽友衛教授ゼミの教育法ですが、私も同様に学生を鍛えたい。
現に、東京国際大学で下羽ゼミの学生は、4年間で大きく伸び、現在でも、そこここで有為な活動に従事しています。。

 ご免なさい。横道にそれました。
学びのあり方を追求した下羽さんの実践は、ある意味、アドバンスト・コースのあるべき姿なのです。
そのことをYさん
は思い出させてくれました。

 この講座は、香取一昭先生のワークショップを4講受けるだけでも、大きな学びがあるはずと自負しています。
そして、皆の声に学びながら、更に良い講座にしていく所存です。
そこには、人間的つながりや相応の厳しさも必要ですね。

 この講座はまだまだ理想には遠いですが、その分これからも改善していきます。
どうか皆さん、この講座で学んだこと(学びを創ってきたこと)に誇りをもっていてください。

 まずは取り急ぎ、Yさんへのお礼と返信を兼ねて
ありがとうございました。
小貫 仁



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