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2014年12月21日 (日)

最近の記憶に残る授業(2):AI

 もうひとつ記憶に残るのは 「AI」 である。今年度も引き続き香取一昭先生に講師をお願いしている。香取講師のワークショップのスタイルと、問いの立て方が興味深かった。

 「AI (アプリシエイティブ・インクワイアリ-)」 は拓殖大学開発教育ファシリテーター養成講座のアドバンストコースが柱としているホールシステム・アプローチの手法のひとつである。
 ホールシステム・アプローチ (特に 「ワールド・カフェ」) の日本への紹介者とも言える香取先生に手ほどきを受けて3年目になる。
 AIは、このブログで何度も紹介しているが、直訳は 「真価を正当に評価する探求」 である。ありのままを肯定的に受け入れることでポジティブな未来を築く手法だ。
 この肯定的な未来志向は、私が個人的にもっとも好むものである。


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1) ポジティブ・チェックイン

Q : 「最近、嬉しかったことは何ですか?」

 一言コーナーだが、参加者皆のポジティブな感覚を共有した。

2) 解説

 AI は、従来の問題解決アプローチのネガティブな側面を乗り越えようとする手法。
 良かった点に注目すると、皆が元気づき、強みを最大限に発揮できるようになる という研究結果から生まれた。

 問題解決の探求と”あるべき姿”の探求は、決して別物でなく、コインの裏表である。
ただし、アプローチの仕方が違う。

 「こうあらねばならぬ」 という must から、「こうありたい」 という can の感覚で取り組む。

→ 何をしたいか? どうありたいか?
→ 未来の可能性は? 肯定的なテーマを探求する。

 AI のフルバージョンは4つのステップ (4Dサイクル) で構成される。
◆ 準備 (肯定的テーマの選定)
① ディスカバリー Discoverry (ポジティブコアを発見する)
② ドリーム Dream (可能性を思い描く)
③ デザイン Design (実現方法を考える)
④ デスティニー Destiny (変革を持続させる)

→ 今回は、時間の関係で、第一のDである Discovery を体験する。
     これは最も肝となる部分で、内容は 「AI インタビュー」 を柱とする。

3) 実習 (「AI インタビュー」 ワークショップ)

インタビュー(1):
「最高の経験についてお聞きします。
個人の能力の総和を超えるパフォーマンスを発揮できたと感じた時のことを思い出してください。ご自身の経験したことでも、見聞きしたことでも結構です。
a どんな状況でしたか?
b 何が最善を引き出したのですか?
c その他の要因は何でしょう?
d その成功をどのようにして可能にしましたか?
e どのような良い結果をもたらしましたか?」

インタビュー(2):
「個人の能力の総和を超えるパフォーマンスを発揮させた要因についてお尋ねします。
a  成功した要素が2~3あるとしたら、それは何だと思いますか?
b あなたの才能やスキル、強みをあげてもらうとしたら、彼らは何と答えるでしょう?
c また、あなたが仕事で最高のパフォーマンスをあげるには何が必要と言うでしょうか?

  ↓
グループで、インタビュー内容(ストーリー) を共有する。
  ↓
模造紙に書き出し、印象に残ったキーワードを整理する。
  ↓
ポジティブコアを探し出す。
  ↓
2枚目にチームを現す姿を絵その他で表現する。(ポジティブコアマップ作成)

Aチームの発表 : 「サッカーチーム」
・ 目的をもち、信頼感を高め、組織としてのインフォーメーションをもつ。

Bチームの発表 : 「人間ピラミッド」
・ 組体操のイメージをモデルに、制約を払った組織化で、やりたい人が集まる。

最後に、今回の結果について、ふりかえる。

さて、興味深いのは、ワールド・カフェの3つの問いとAIの3つの問いの比較だ。

ワールド・カフェの問いの基本は、
① そもそものあり方を問う (ありたい姿)
② 参加者のアイディアの核心を問う (ビジョン)
③ 変化を起こすための最初の一歩を問う (未来)
比して、AIの問いの基本は、
① これまででもっともうまく行った例を問う (過去)
② うまくいった事例の要素を問い、現在の徴候を問う (現在)
③ 将来の展望を問う (未来)

これらには、共通項がある。
ありたい姿を見定め、その要因を確認し、未來につなぐ。
こうした未来思考の急所を肝に銘じたい。

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  終了後、希望者は調布市の 「森の寺子屋」 に移動して、忘年会を行った。
  アドバンストコースのねらいは、ホールシステム・アプローチを学ぶことで、ファシリテーション力を高めること。答えのない時代を地球市民として生きるために、対話のファシリテーターとして、「創発性ゆたかな学び」 で社会に寄与することをめざしている。
私たちはそのためにポジティブな未来志向の 「学習する組織」 でありたい。
私たちは、「森の寺子屋に集うチーム」 = 「チーム・モリテラ」 として連帯しつつある。
 

 
 

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