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2014年6月19日 (木)

DEファシリAD講座第3講 「学習する組織と対話」

 拓殖大学開発教育ファシリテーター講座 (アドバンストコース) 第3講終了。第1講 「開発教育詳論」、第2講 「ファシリテーション研究」 に続いて、第3講は 「学習する組織と対話(ダイアログ)」 がテーマだった。

 開発教育ファシリテーター講座は、多様な人材のニーズがあるので、教員向けだけに焦点化していない側面もあるが、基本は教育を意識しており、内容としては 「開発教育(グローバル教育)」、方法としては 「教育ファシリテーション」 を志向する方向にある。
そして、アドバンストコースは、さらに一歩進めて、「対話型授業」 を展望している。

 内容である第1講については以下にまとめた通り。
→ DEファシリ(アドバンスト)講座 「開発教育詳論」 :
http://bit.ly/1nBf6JK

 さて、方法としての 「対話型授業」 とは ・・・ 。

 学習者のやる気を引き出し、バラバラな個がテーマを共有し各ベクトルの方向を同じにして学び合う、そうした要素を 「対話」 を軸に展開していく。これが、教育ファシリテーターの応用的な実践課題である。

 アドバンストコースは、「学習する組織」 の概念や 「ホールシステム・アプローチ」 の手法を総合的に組み入れながら、通常コースのファシリテーションと連動してステップアップする学びの場である。



 第3講 「学習する組織と対話 (ダイアログ)」 を担当した私の授業展開は、以下の通り。

Ⅰ 「つかみ」 の解説とワーク
  ~学習する組織とファシリテーター型リーダー

→ 教材 『チーム・ダーウィン~学習する組織だけが生き残る』 の概要共有

◇ 学習する組織 learning organization における学習 learning とは、変化への対応。
  ・・・ 今日、世の中の変化に適応できないことは企業の死を意味する。

◇ バラバラがひとつになるには?
  ・・・ 関係性の変化 (仲間になる)

◇ 重要なのは根本
  ・・・ 物語を共有する (ビジョンの共有)

◇ 学習する組織の5要素
  ・・・ 自己の確立と当事者意識 (自己マスタリー)
      先入観(偏見)の克服(メンタルモデルの克服)
     ありたい姿へのベクトル一致(ビジョン共有)
     対話と協働(チーム学習)
     「木を見て、森も見る」(システム思考)

→ <ワーク> ファシリテーター的リーダーとは?

○ カリスマ型リーダーと比較すると、時間がかかり、持続性が問われる
○ やる気を引き出せる人、柔軟に修正できる人、人間関係が必要
○ メンタルケアができる人、個人の力を引き出せる人、背景を理解できるリーダー

・・・ チームのアラインメントとは、(『チーム・ダーウィン』 より)
  メンバーのベクトルを合わせることで、チームの一体感を実現すること。(p.203)
・・・ 「新しいリーダー」 = 知的創造社会が求めるリーダー :
  一人ひとりに内在する動機の源泉を活かし、参加意欲や学習する能力を高め、
  共有ビジョンを軸に強い連携を築き、共有ビジョンを達成する組織を作る人(p.313)

Ⅱ 「本体」の解説とワーク
  ~なぜ 「対話(ダイアログ)」 か?

→ 「対話」 重視の時代背景

 高度経済成長時代は大量生産大量消費を暗黙の共通価値としていた。
今日では、顧客のニーズも多様化し、社員の価値観や信念も多様化し、古いロジックは通用しない。「めざすべき方向」を共に探求していく、協同的な思考のプロセスをつくり上げていくことが必要な時代。(『ダイアローグ 対話する組織』 より)

◇ 社会構成主義の時代 : 認識は、定まった解はなく、構成される。(再帰性)
  ・・・ ダイアログ dialogue の原義 = 意味が流れる dialogos

◇ 教育の課題1 : 変化への対応 (生きる力)
  教育の課題2 : 主体的学び(生きる力) = 「”教える”から”学ぶ”へ」
  教育の課題3 : 言語活動の重視(生きる力)=ディベートと対話型学習活動

→ <ワーク> 対話のレッスン

レッスン1  「今日の私」 を話題にペアでコミュニケーション
~ 改善点 : 視線を合わせる、頷き、表情、メモと質問

レッスン2  「していただいたこと」 を話題にコミュニケーション
~ 共感的であるための工夫=語り手の奥底の 「大切にしているもの」 を聴き解く

レッスン3  「最近のジレンマのエピソード」 を話題に共感的コミュニケーション(対話)
~ 参考資料 : 「無財の七施」 の心得
 ・・・ 眼施(優しいまなざし)、和顔施(穏やかな表情)、愛語施(柔らかな言葉遣い)、心施(共感する心) 等

◇ 質疑応答を軸にふりかえり :
 1) 共感できない人に対してどう対応するか?
   ・・・ 共感できる部分を探し、対話するなかで共感部分を増やしていけないか。。
 2) 利害が対立しても決めなくてはいけないときは?
   ・・・ 根底に通底する部分を探り、こだわりをずらすことからWinWinへいけないか。。
      (本質的には関係性が変わること)

→ <ワーク> 対話のレッスン(その2)

◎ 「クロスロード」 ゲーム (阪神淡路大震災をもとにした防災シミュレーションゲーム)

 問い : 市役所職員として、地震直後に自宅から役所に行くか?行かないか?
 活動 : 各自がYES/NOを決め、グループ内で理由を出し合う。

◇ ふりかえり :
 閉じた質問だが、問い次第では、対話が促進される。(ジレンマの力)
 仲間の意見に共感するうちに、何らかの 「創発」 がうまれた。(多様性のゆたかさ)
 対話とは、共感・共有・共創 という 三種の「共」 を含む。

Ⅲ 「まとめ」 の解説

◇ 今回の 「KP(紙芝居プレゼンテーション)」 カードをもとに、要点確認。

◇ ダイアログとファシリテーター (『学習する組織』 より)
  1) 参加者は皆の前に仮説を呈示する
  2) 参加者はお互いが仲間でなければならない
  3) ダイログの文脈を保持するファシリテーターが必要

◇ 今後の 「ホールシステム・アプローチ」 の授業内容予告。



<参考> 参加者の声

声A : 2~3年前に 『チーム・ダーウィン』 を走り読みした時は、特に感想を持てませんでした。
 本日の論理的に紐解かれた授業で、初めて筆者が何を言いたいのか理解できました。「解なき社会」に対するモヤモヤは持っていていいのだなぁ、という気づきと安心感を得ました。

声B : 自分の枠 (今日の話で言えばメンタルモデル) の克服は苦痛を伴うことはあっても、一方で望んでいることでもある。
 そのチャンスがあることがこのコースの良さと感じている。

声C : 表面的な質問になってしまいがちな自分だが、「その人の大切にしているもの」 を感じ、寄り添うことで、言葉だけではわかりあえない部分をくみとり、話し合いが良い方向に向かっていけるよう努力したい。

声D : 「共感的コミュニケーションは言葉の底にひそんでいる、その人が大切にしているものに寄りそうこと」 という心得に深く同意した。
  被差別に下におかれた人 (ハンセン病の人や障碍をもった人) と話すとき、同情に陥らないために 「寄りそう」 ことが必要と何度も聞いていたが、このことだと思った。

声E : 対話はむずかしい。でも、大きな可能性を秘めている。3つの「共」の実践・実現も簡単ではないが、これがよりよい社会・世界をつくる上では不可欠だ。
 意見が合わない人にも拒否反応を示さずに、少しでも共感できる部分を探そうと思います!

 

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