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2014年6月20日 (金)

DEファシリ講座第8講 「ファシリテーション・スキル⑤」

 拓殖大学開発教育ファシリテーター講座第8講のテーマは 「対立を解消するスキル」。

 5週にわたった「ファシリテーション・スキル」の基礎固めも最終回。
 次回以降は、開発教育に関わる地球的諸課題に対する学問的素養を培う講義+ファシリテーションミニ実習になる。

 今回のテーマ 「対立解消」 は、意思決定する力として扱うが、本講座のアドバンストコースの 「対話(ダイアログ)」 および 「合意形成」 におけるファシリテーションの基礎ともなるものである。
 その意味で、本講座の2年間のファシリ学習の前・後半をつなぐ学び と位置づけることができる。



 担当した同僚・石川氏の授業展開は以下の通り。

Ⅰ 「つかみ」 のワーク

→ 「最近ケンカしてしまったこと」 を話題にグループ内の人と話し合う。

 ファシリテーターは、対立を避けるのではなく、対立こそチャンスととらえる。

→ アクティビティ 「2頭のロバ」 (出典:ユニセフ 『開発のための教育』) に取り組む

Ⅰ-2 「つかみ」 の解説

 対立を解決する手段としては、「回避」 「譲歩」 「妥協」 「説得」 等あるが、根本的な解決に至るには、両者にメリットがあるように解決策を創造することが望まれる。(Win-Win Approach)
 そのためには、次の視点が必要。
○ 3つのP・・・共通の目的 (purpose)、広い視点 (perspective)、多様な視点 (position)

Ⅱ 「本体」 のワーク

 対立を超えるには、グループで協力することの意義が理解されていなければならない。
 「グループが協力して導き出す結論は、各人が考える方法の平均値を上回る。もっとも優れた個別のアイディアと比べても、はるかに優れた結果になることが多い」 (ジェイ・ホール)

→ アクティビティ 「コンセンサス・テスト : 月で遭難したら」 に取り組む

<設定> 「あなたの乗った宇宙船が月面に緊急着陸した。母船とは、320キロ離れた太陽光が当たっている場所でランデブーする予定だったが、不時着したときに宇宙船が破損し、以下の15品目以外はすべて使用不可能になっている。
全乗組員の生死は、母船に戻れるかどうかにかかっている。母船までたどりつくのにもっとも重要な品目は何か、生存に重要な順に優先順位をつけよ」

 まず、個人で取り組み、次にグループで持ちあって、最終的に意思決定する。
ここでは、他者の意見に耳を傾けて新しい見解を導きだせるか (対話できるか)が重要。
進行役(ファシリテーター)は、グループの力を最大限引き出せるよう努める。

→ 結果の確認とふりかえり

 ほとんどのグループが、個人よりグループの結果の方が高得点だった。
このことで、グループで知恵を出し合った結果のシナジー効果を確認できた。
シナジー効果が出なかったグループではその理由の考察が重要。
△ 誰か一人が強く主張してその通りにした。(集合知を導きだせなかった)
△ 時間をかけてじっくり話し合わなかった。
△ 簡単にシロクロを(多数決で)決めた、など。

Ⅱ-2 「本体」 の解説

 重要な3つのP ・・・ 「なぜ」 をくり返して掘り下げていくことで、共通点が見えてくる。
              (例) 家族旅行の行先選び  
              ズラシ (リフレーミング) で違った視点が創発を導く。
                              (例) 桃太郎に殺された鬼の子の立場

  重要な創造による解決(Win-Win Approarch)
 ・・・ 創造のための条件
  ○ 本質を見極める力・・・意見と事実、現象と原因を区分けして考える。
  ○ 柔軟な思考・・・固執やステロタイプに陥らない
  ○ 協調的関係性・・・互いの信頼関係

 最終的に意思決定する手段
 ・・・ ファシリテーターはプロセスに働きかける
  ○ ランキング
  ○ 多数決
  ○ メリット・デメリット法
  ○ ペイオフマトリクス

Ⅲ 「まとめ」 のワーク

→ アクティビティ 「ちがいのちがい」 に取り組む

 1) チョコレートをもらった数をめぐって、2) 国による平均寿命の違いをめぐって、3) 先生と生徒の許容度をめぐって、4) 男女のマラソン距離をめぐって、5) マオリ語とアイヌ語の違いをめぐって

 対立には 「ちがい」 が付きものであり、その違いを大切にするが、その違いにも 「あっていい違い」 と 「あってはいけない違い」 があることに留意する。



<参考> 参加者の声より

声A : 対立を避けるのでなく、違う意見同士で話し合って決めた方がいい傾向があると教えていただき、ファシリテーションの深さを知りました。

声B : ファシリテーターをやると、意見を聴くことに集中しなければと思うと同時に、次はどんな投げかけをしようと常に考えてしまい、部分的に上の空になってしまった。
しっかり聴いて、相手の言いたいことを理解して、その上で議論を導いていくことはほんとうに難しい。

声C : 「対立の解消」は、ファシリテーションスキルの中でも一番難しいと思っています。
実際のワークでは、リフレーミングで新しい視点を与えてもらったり、言い換えてもらうことで、一人で考えるよりも、より良い結果を導くことができたと思います。


声D : グループでコンセンサス・テストをしたら、様々な意見が出て、それを統合したりアレンジしたりすることで、よりしっくりする答えにつながっていったことを感じ、快感だった。
話し合って、ユニークで面白く発想豊かな物語が生まれた。
 自己満足ですが、ワークで煮つまった時、「じゃあ、何だったら、どんな状況だったら良くて、どんな状況だったらダメなんでしょうね」と話してから、また話が別の視点から始まり、少しうれしかった。

声E : 「対立」から「(アイディアに満ちた)結論」を導くグループワークは難しいスキルだ。
しかし、実現できれば、素晴らしい結果になることを理解できた。

声F : あっという間にファシリスキルの授業が終わってしまったと感じました。
学んだスキルを今後活かせるように実践していきたいと思います。

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