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2014年4月29日 (火)

DEファシリ (アドバンスト) 講座 「開発教育詳論」

 拓殖大学開発教育ファシリテーター講座(アドバンストコース)が始まった。第1講は、オリエンテーションと 「開発教育詳論」 だった。

 アドバンストコースは、2004年開講通常コースにおける3年の教育実践に立脚して、2007年度より開講した。
 当初は、より高度な地球的諸課題の素養と教材作成能力の向上をねらいとしていたが、今日では、「ダイアログ」 ・ 「学習する組織」 ・ 「ホールシステム・アプローチ」 を軸として、議論 (ディスカッション) から対話 (ダイアログ) への対応を志向するようになっている。
 言い換えれば、(開発)教育において、通常コースが教え込む先生 teacher から 主体的学びを促進する支援者 learning facilitator への変貌を志向しているのに対して、アドバンストコースでは、そこから更に、対話による多様性の成果としての生成を支援する generative facilitator への脱皮を志向している。


 第1講は、赤石センター長による 「開発教育詳論」。通常コースで学んだ概論を復習しながら、今日の開発教育がどうあるべきかを以下の内容で考察した。
講義のテーマを要約すれば、「開発教育の名称と内容領域の再検討」 である。


1 「つかみ」のワーク

→ ペアでの話し合いのテーマ
(1) そもそも、開発教育の中心概念である 「開発」 とは何か?

→ 4人グループでの話し合いのテーマ
(2) 現代の社会を特徴づける「グローバリゼーション」の流れをどのようにとらえるのか?

2 「本体」 の解説

→ そもそも「開発」とは
 
① 物理的な変化に関わる用語( 「土地開発」や「商品開発」など)
② 精神的な変化に関わる用語( 「開発(かいほつ)」)

→ 欧米での歴史的理解
① 語源は 「de(反)+velop(包む)」 で 「開封する」 の意味。
② 1949年に米大統領トルーマンが 反共政策として、under development 地域への援助を表明してから一般化。ここでは、経済成長を達成しようとする意図が働いていた。

→ 「開発」 とは変化の概念である。
ただし、本来、経済成長に関連するだけではない。「開発主義」 とは別物である。
したがって、変化を否定する 「反開発」 には誤解が伴っている。
重要なのは、開発のあり方 (変化のあり方) を考え続けることである。=開発教育
また、開発(社会変化) は、国家(政府) という一元的機関によって担われるというよりも、国民参加の民主的運営が重要である。

→ グローバリゼーションの進展
グローバリゼーションとは、モノ・カネ・ひと・情報が国境を越えて自由化されること。
グローバリゼーションでは利益の配分が著しく不公平であるが、グローバル化自体の問題というよりも、制度的枠組みが全体的にバランスを欠いていることによる。(アマルティア・セン 『人間の安全保障』)

3 「ふりかえり」 のワーク

→ 4人グループでの話し合いのテーマ
○ 開発教育か?、グローバル教育か?

→ まとめ
◎ 支持の多かった 「グローバル教育」 だが、そこでのコアは何だろうか?
(ただ 「世界を知る」 だけでなく) 開発教育の問題意識を失ってはならない。
イギリスの2002年以降の「市民教育」の動向に注目することで見えてくるものがある。
それは今日では、「グローバル・シティズンシップ教育」に進化している。

4 参加者の声より

声A : 講義を受け、ペアやグループで話し合いをする。そのこと一つ一つが学びや気づきの宝庫であり、貴重な時間だった。これから毎月楽しみだ。

声B : 対話のなかで”人の能力を引き出す””かいほつ”などの考えを日々浸透され意識して過ごしており、それが「開発」であることがはじめてふに落ち理解できた。

声C : 「市民性」 教育という言葉を聞いて、現場の先生方がやりたいことにより近いものに変化してきたと感じて気分が明るくなりました。
 先進国のみに実施してきた開発教育が、市民教育に移行し、パッケージ化・システム化されて、後進国でも応用可能なかたちに変化していくことを望みます。

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 適切な話し合いが組み入れられた参加型の講義でわかりやすかった。
筆者は、開発教育の問題意識をコアとするグローバル教育の提唱に賛同したい。
アドバンストコースの対話(ダイアログ) 重視の考え方からすると、この 「新しい」 グローバル教育は、方法も 「新しく」 ダイアログで展開することが開発教育の問題意識を深めるカギとなるように思えた。

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