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2013年7月23日 (火)

フューチャーセッション

 「教育ファシリテーション研究会」 では、教育分野でのファシリテーション普及を意識したアウトプットを志向している。それに関連して、どのような内容をどのように見せるのかについてビジョンを共有すべく、フューチャーセッションを試みた。

 会場は 東京・岩本町 「Kinoへや」。初めて利用したが、いつものキャンパス内教室よりも心が改まる。”場の力” というものは確かにあると感じる。

 企画・運営はSさんが中心。フューチャーセンター勤務の期待のホープだ。
 研究会はファシリ講座修了生の有志の集まりだが、講座参加者同様、教員のみならず、研究者や社会人等 多彩な人材の坩堝であることが強みと自負している。
 参加者は16名。小規模なワールド・カフェに最適な人数が集まった。

 プログラムは以下の通り。
1 イントロダクション
2 ストーリーテリング
3 ワールド・カフェ
4 ハイライト法
5 マグネットテーブル
6 クイックプロトタイピング
7 プレゼンテーション


1 イントロダクション

 
 はじめに、セッションの目的の共有とチェックインを行った。
 日本の学校教育には、これまでの継続の部分と新しい 「変化の兆し」 とがある。このセッションのねらいは、どのような 「変化の兆し」 があるかを共有し、それを深めることによって、これからの教育のあり方とそこにおけるファシリテーションの可能性を探求すること。

2 ストーリーテリング

 教育現場で起きていることの象徴として、学習指導要領の歴史的経緯と最新指導要領の視点の共有を行った。
 これまでの学習指導要領は、教育の2元対立(系統的知識重視と経験的思考重視)の間を揺れ動いてきている。そうした現実の中で、それを突き抜けるような「新しい兆し」が問われる。
 項目としては、原則としてあげられている14のポイントが注目に値する。
(1)生徒の言語環境の整備と言語活動の充実、(2)体験的・問題解決的な学習及び自主的自発的な学習の促進、(3)生徒指導の充実、(4)進路指導の充実、(5)ガイダンスの機能の充実、(6)見通しを立てたり、振り返ったりする学習活動の重視、(7)指導方法や指導体制の工夫改善など個に応じた指導の充実、(8)障害のある生徒の指導、(9)海外から帰国した生徒や外国人の生徒の指導、(10)情報教育の充実、コンピュータ等や教材・教具の活用、(11)学校図書館の利活用、(12)指導の評価と改善、(13)部活動の意義と留意点等、(14)家庭や地域社会との連携及び学校相互の連携や交流。

3 ワールド・カフェ

 3ラウンドのワールド・カフェ。
→ ラウンド1~2 「未来の教育に影響を与えるような変化の兆しはあるか?」
→ ラウンド3 変化の兆しを付箋に書き出し、その兆しを、横軸:不確実性が高い/低い、縦軸:インパクトが大きい/小さい の4象限にマッピング。

4 ハイライト法

 全員が各テーブルをまわり、不確実性が高くかつインパクトが大きいと承認する項目に☆マークをつける。
 結果として、「学校がなくなる」、「生徒1人ひとりがファシリテーターになる」、「生徒1人ひとりがダイアログができる」、「教職者にファシリテーション教育がなされる」、「教師の海外研修が必須となる」、「生徒の年齢幅がひろがる」、「ネット学習の普及」 等が注目された。

5 マグネットテーブル

 変化の兆しのランキングを参考に、各自が変化の分岐点となる軸を設定し、問題意識が類似するメンバーでグループ編成。

6 クイックプロトタイピング

 変化の分岐点となる軸を決定し、2軸から浮かび上がる4象限に関連して、未来のシナリオを作成する。
 シナリオの柱は、どんな場で、どのような人が集い、どのようなツールで、どのような学びが生まれているかとし、そこでの重要と思う観点を設定していった。

 私の属したグループは、横軸:教師主体(受動的学習) と 生徒主体(主体的学習)、縦軸:一斉授業とワークショップ型授業として、第3象限から第2象限への移行を見える化した。第1象限と第4象限は現在も兆しのある第2象限へのプロセスである。
 第1象限はグループ学習なのだがいまだ教師がやらせる色彩の強い段階、第4象限は問答型なのだが教師主体で参加を引き出している段階を考察した。(私たちの判断ではサンデル型授業もここに位置する)
 また、第2象限はデューイの経験主義的学びの形態を意識しているが、それは知識を軽視するものではなく、知識を自分との関わりで課題解決に活かし、知識を再構成していくことの重要性を確認した。
 さらに、それゆえに、第2象限が拡大する未来シナリオにおいて、他の各象限も多かれ少なかれ、関わりをもつとした。

7 プレゼンテーション

 各グループの未来のシナリオを共有。
 軸の設定次第で描かれるシナリオは異なってくるが、概ねどのグループも選択の拡大とフレキシブルな型崩しに価値を置いていた。


8 ふりかえり

 これまで8回の研究会で共にやってきたことの成果は、教育の現状と課題、ありたい教育(授業)のあり方、教育改革とファシリテーションの関連について、それなりのイメージを共有してきている。
 今回のセッションでは、それらを明確化できた。
 ここからの具体化にはまだ見えていない部分を残しているが、今回のセッションの意義は大きかったと思う。ファシリテーターを買って出てくれたSさんには心より感謝したい。
 

 
 

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