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2013年6月19日 (水)

小説を使った授業(2)

 昨日は 「学習する組織とダイアログ」 の授業について、考え考え書いていたら、予定の半分もいかないうちに疲労困憊。(笑)
 ゆえに、ビジネス小説 『チーム・ダーウィン』 をめぐる授業の続き。。

 以下は、昨日同様、講座MLに書いた 「ふりかえり」 を修正しながらの内省である。

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(2)ダイアログの基本原則とファシリテーター

 私たちは、今日の時代背景と社会構成主義、現実と理論の両面から対話の重要性を確認しました。

 そうしたなかで、今回のテーマであるダイアログについて、私たちは次のような10の要素を確認しています。
→ 価値観の違い、対等な関係、認め合い、前提への共感、多様性の豊かさ、心を開く、
   方向性の共有、葛藤 (矛盾)、創造 (共創)、コミュニケーション

 そして、ここでの軸となる 「共感~共有~共創」 の可能性、つまり 「”共”の三兄弟」 をどうしくむかをファシリテーターの重要課題としました。

 さて、実は、こうした内容面だけでなく、実際のダイアログでの実践面として、ファシリテーターが留意すべきことがあります。ダイアログにおけるファシリテーターの存在意義です。

 「学習する組織」 の提唱者であるP.センゲは、ダイアログ理論の先駆者であるD.ボームによる 「ダイアログの基本原則」 を示し、第3の原則としてのファシリテーターの必要性を明らかにしています。(P.センゲ 『学習する組織』 p.328)
原則1) 全参加者が自分の前提を 「保留(吊り下げ)」 する。
原則2) 全参加者が互いを仲間と考える。
原則3) ダイアログの 「文脈を保持」 するファシリテーターが必要。

 これは、話し合いには、「対話 (ダイアログ) モード」 ではない、むしろ主流の 「議論 (ディスカッション) モード」 があることを踏まえ、もちろん両方重要ですが、ファシリテーターはダイアログが求められる場面では、後者に行きがちな流れを回避して 「文脈を保持」 する必要があるということです。

(3)ダイアログとディスカッション

 通常の話し合いであるディスカッションは、ゴールが明確であり、何らかの結論を出すことが求められます。
 対して、ダイアログは、相手の背景にある考え方や価値基準にまで遡って、心の内部から話し合う。これまでは 「あうんの呼吸」 で省略してきたものを確認することを大切にする話し合いです。ここでは、往々にして、問題そのものあるいは評価基準そのもの (いわゆる前提) から問い直すことが伴います。

 日常において、何らかの葛藤があってそれに向き合うダイアログの必要な場面は決して少なくありません。例えば次のような場面。
a. ワークショップにおけるアクティビティでの混沌やふりかえりでの省察
b. ビジネスにおける 「実務+ふりかえり」 における省察
c. 教育における 「体験(探求)+ふりかえり」 における省察
d. 探究における協同学習 (あるいは協調学習) における学び合い
e. 未来志向で語り合う 「ホールシステム・アプローチ」 等

 ファシリテーターが、こうした場面で、ダイアログ・モードを意識し、その要素をいかに活かせるかが問われると考えています。
 また、ダイアログの基本ステップをワークショップ化することも、ますます進めたいものです。このことは、国際的対立の教材化で特に重要です。 (続く) 


<参考> ツイッター(6/15)より
 話し合いには議論 (ディスカッション) モードと対話 (ダイアログ) モードがある。その切り換えを適切にできることが今日のファシリテーターの最も留意すべき事柄となっている。

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