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2013年3月29日 (金)

教育のFとビジネスのF

 教育とビジネスのファシリテーションはどう違うのか? 「教育ファシリテーション研究会」 (第5回) はこのことについて検討した。基礎固めの段階にある研究会だが、ファシリテーションの基礎を確認するうえでも、とても有効だったと思っている。

 ここでは、「ふりかえり」 として共有している内容の概要を紹介しよう。
 前回(第4回) の 「クロスロード」 体験のふりかえりも行っているが、関連するので併せて記載したい。


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●第5回研究会 (3月16日) 於D306
  流れ: 1 第4回研究会のふりかえり
         2 教育のFとビジネスのFの比較検討
         3 今後の研究会に向けて

1 第4回研究会 (「クロスロード」 体験) のふりかえり

(1) ファシリテーターに学ぶこと
  → システマチックな事前準備がなされていたし、反映もしていた。
    ネームプレート型自己紹介が新鮮だった。
    (関西弁の活用も含めて) 楽しませ、なごませる工夫があった。
     指示が押しつけがましくなく、シンプルで分かり易かった。
     参加者の名前を覚える努力がうかがえた。
     時間に融通をもたせるタイムマネジメントの巧みさ。
     写真の活用等、経験者ならではのリアリティと説得力。

(2) 「クロスロード」(ゲーミング) について
  → ○ YESとNOによるゲーム感覚が新鮮でモチベーションがあがった。
     ○ ゲーム性の気安さとそこから深まる素晴らしさ。
     ○ 全員が理由を話すルールで多様性のある意見を引き出すシステム。
     ○ 決断するトレーニングになったかもしれない。
     △ ファジーな問いゆえに解釈で参加者のYES/NOの違いが出ていた。
     △ 答えがあいまいなままでモヤモヤ感だけが残るリスクがあった。
     ○ ツァイガニク効果(腑に落ちないことで心に残る)が確かにあった。

  → 私の所感はブログにまとめていますので、確認願います。
    「クロスロード」 をダイアログの視点で考察しています。

         http://jinonuki.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-34f0.html

2 ワークショップ 「教育のFとビジネスのF」
     ・・・ 堀公俊『ファシリテーション入門』をテキストに、その大枠の整理と
     キーワードをもとにした比較検討を行った。

(1) 両者に共通するファシリテーションの大枠確認
  →  a. 場のデザイン (場をつくり、つなげる)
      b. 対人関係 (受け止め、引き出す)
      c. 構造化 (かみ合わせ、整理する)
      d. 合意形成 (まとめて、分かち合う)

(2) キーワードをもとにした比較検討
  → 『ファシリテーション入門』 から選定したキーワードは以下の通り。
      a. 「空間デザイン」 「プロセスデザイン」 「グループサイズ」
       「発散」 「収束」 「ダイアログ」 「ディスカッション」 「問題解決」
       「チームビルディング」 「アイスブレイク」
      b. 「傾聴」 「復唱」 「ペーシング」 「訊く力」 「質問」 「観る力」
       「観る力」 「非言語メッセージ」
      「応える力」 「要約」 「言い換え」
      c. 「主張」 「ロジカルシンキング」
      「MECE」 「FG] 「フレームワーク」
     d. 「意思決定」 「合意形成」 「対立(コンフリクト)」 「WinWin」
      「ふりかえり」

  → 各用語は、教育とビジネスで活用上2面性をもつと仮定し比較検討。
     ここでは、特に 教育のFの側面を軸にしてグループ発表を整理する。
     ・ 共感的理解やふりかえりでの共有は教育の方が優れている。
     ・ FGやフレームワークをもっと活かそう。(板書やノートで)
    ・ 共に ダイアログは不足している。
     ・ 目的として、受験で測れないものを伸ばすことが問われている。
     ・ 考える力、考え続ける力、自学自習能力に関わるのが教育のF。
     ・ 生徒・保護者を 「顧客」 として捉える視点が重要。
     ・ 生徒を変えようとするなら、まず自分が変わることだ。

(3) 本日のゴール (教育のFのありたい姿)
  → 教育ファシリテーターとは、、、
     ◎ 学習者と共に成長する姿勢をもっている人
     ◎ 社会に出ていくときに役立つ力を育む(?)人
     ◎ 自分で考え続けられる人
     ◎ 知識と現実を結びつけらる人
     ◎ 自分の内面をみながら気づきを生み出せる人

    → 事前の宿題となっていた 『開発教育 Vol.56』 (2009) の検討、
    たとえば、山西論文の「ファシリテーションを超える」 視点などの詳細な検討は
    時間切れで課題として残された。
    その代わり、ここでは、解をめぐる考え方 (開発教育では解がないというが、
    実は 解は多様に存在し、そこでの意思決定と検証のプロセスも重要であること)、
    教育の課題 (矛盾と葛藤に富む現実社会でどう対立を乗り越えるか)、等
    の意見交換をしている。

3 今後の研究会に向けて

 ① ここまでで基礎固めの段階に一旦区切りをつける。
 ② 第6回以降は具体化に入り、具体的スキルに絞って、アイディアを持ちより、
   整理するとともに、実践とつなげながら進める。
 ③ 常に、これまで通り古典に学ぶ姿勢や、スキルの基礎理論に立ち返って
    具体化を支える理論に思いを巡らしながら、”スキル至上主義” に陥らず進める。
 ④ 次回は、その第一弾として、「アイスブレイク」 をテーマとする。

    → 今回、まとめながら強く感じたことは、今回のテキストであり、したがって研究会員の
     必読書である 『ファシリテーション入門』 と 『開発教育Vol.56』 が内容的に秀逸で
         あることです。今回欠席の皆さまを含めて、再度の熟読をおすすめします。

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