« ブータン海外研修に思うこと | トップページ | 「座学にとどまらぬ開発教育」 考 »

2012年9月 8日 (土)

ブータン海外研修に思うこと(2)

 「開発教育ファシリテーター講座」のブータン海外研修に関して、MLでのやりとりが行われている。私の中では、記録にとどめておきたい内容なので、ここに昨日考えたことを補足したメールを公開しよう。

 もとより、やりとりと言っても、論争の類ではない。教育現場と開発現場という土俵の違いがありながらも、互いに自分の思いを語り合っている 「対話」 なのである。
 やりとりの対象となる文章を省略せざるを得ないのでわかりにくいかもしれないが、私は、ブータンというGNHで知られる国を仲立ちとして、現地での開発現場を踏まえながら教育現場としての考え方を整理することには意味があると考えている。

~~ 以下、微修正して引用 ~~

 ○○さま、小貫です。
 早速のコメントをありがとうございます。とても貴重な発言をいただきました。

 まずはじめに書いておくべきことは、このやりとりは、論争する類のやりとりではないということです。
 ブータン海外研修の方々が何を学んできたかが興味深いですし、また、行っていない方々が 「開発」 についてどう考えるかについて少しでも参考になるなら、副次的結果ですが、とても嬉しく思います。

 そんなわけで、感謝とともに、私の発言で補足すべきことを書いておきます。

 私は、アマルティア・センではありませんが、
「経済は重要である。けれどもそれだけではないことも同じように重要である」
という観点に立っています。

 また、かつて 「グローバル教育を考える集い」 の懇親会で ○○さんと親しくやりとりをした際に、「西洋化でない近代化」 というキーワードを共有したことがありました。
(この言葉も刺激的で授業で学生と共に考える材料としたほど)
これがどのように実現できるかは、関連して、興味深い課題と思っています。

 私が補足したいのはこうした考え方の確認です。
「経済は重要である。けれどもそれだけでないことも同じように重要である」
「西洋化でない近代化」
これらの概念をカギとして考えることは、ブータンの開発を顕著な例として開発教育の根源的な問いを生み出すと考えています。

 そのうえで、私は日本がブータンに寄与するとともに、ブータンからも多くを学ぶという姿勢で前回のメールを書きました。

> 小貫先生とのメールでは、今回はほんのわずかの理解の違いですが、
> よく見ると大きいかもしれません。

 このあたりをどう捉えるかも、読む方の判断とする方が良さそうです。

 今日、市場原理主義に基づく 「経済成長至上主義」 は、格差社会の拡大あるいは持続可能性との関連で、その問題点が問われています。
要は、経済のあり方、社会のあり方が問われるのです。

 私と○○さんの間では、ブータンの 「開発」 について、人間社会のあり方の根本から模索していることではかなり一致しているように思いました。

 今回、貴重なコメントをいただき、「どのような社会を築くのか」 をみんなで考える、つまり 「開発のあり方を問う」 開発教育の話題が (机上の空論でなく) 出現していることに、改めて感謝します。

 私は○○さんと腹を割って語り合うことが楽しい人間なのですが、そのやりとりをMLの参加者に対して押し付けているとしたら申し訳ありません。
けれども、開発教育に関連して本質的な問題提起を含んでいることは確かだと思います。いろいろなやりとりに膨らむことができたら幸いです。
ありがとうございました。
小貫 仁

« ブータン海外研修に思うこと | トップページ | 「座学にとどまらぬ開発教育」 考 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559271/55606620

この記事へのトラックバック一覧です: ブータン海外研修に思うこと(2):

« ブータン海外研修に思うこと | トップページ | 「座学にとどまらぬ開発教育」 考 »