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2011年12月18日 (日)

第7回開発教育システム思考研究会 (総括編)

 (月例)開発教育システム思考研究会も年内最後。年度内の報告書作成に向けて、さまざまな確認を行った。これまで2年間のふりかえり(総括)と報告書の構成案を整理する。

開発教育システム思考研究会について

1 研究会発足の経緯

(1)研究会の問題意識

 開発教育は、「知る~考える~行動する」 という学びのプロセス(フレームワーク)と 「共感的理解から構造的認識へ」 という発達段階に応じた学習を想定している教育である。ここにおいて、「知る」 段階では、参加型で 「気づき」 を促すことは開発教育の得意とするところである。テーマに応じた参加型教材も豊富に出揃っている。けれども・・・、

→ 「考える」 段階では、因果分析が十分と言えないのではないか? テーマの探求は重要だが、そこから複雑な全体像の構造探求に成功しているとは言えない。困難な課題だが、体制批判という単純化ではなく、未来を創る建設的な発想での構造探求が欠如しがちであることを問題にしなければならない。

→ さらに、「行動する」 段階で、 (これは実際は 「活動」 あるいは 「態度形成」 ) 充分な掘り下げがなく、安易に 「私たちにできることは何かを考えてみよう」 といった問いかけにとどまっているのではないか? そこでの解決策は、因果の連鎖から悪循環の根幹を見いだそうとするレバレッジポイントへの活動になりえていない。

 こうした問題意識は、このままだと開発教育も 「座学」 にとどまる学びになりかねないことへの危惧であった。私たちは、学習の ”ありたい姿” で 「座学にとどまらぬ学び」 、言いかえれば、確たる知識を深い思考に活用し、問題解決能力に関わる学びを求め続けてきた。

(2)研究の見通し

 テーマは、世界をシステムとして捉えて協同学習する授業実践である。研究は、①システム思考~②因果関係ループ図~③システム原型~④学習する組織 という順で検討してきた。 

 テキストは、髙橋浩一『問題発見力養成講座』、D.キム&V.アンダーソン『システムシンキング トレーニングブック』、他

 参考文献は、Pセンゲ『最強組織の法則』、熊平美香『チーム・ダーウィン』、他

(3)研究の目的 ~ 新しい開発教育の発信に向けて

・システム思考に基づいて 「構造」 認識の学びを深化する(内容論)

・ダイアログで進める「学習する組織」の学びを具体化する(方法論)

・既存教材『貧困の悪循環』等を超える新しい教材を作成する(教材論)

2 研究会活動の経緯

(1)研究の概要(詳細略)

 2010年度、月例会議10回

 2010.7.10 拡大研究会 「システム思考と開発教育」

 2011.2.26 研究フォーラム 「学習する組織と開発教育」

  2011年度 月例研究会10回(予定)

 2012.2.25 研究フォーラム 「学習する組織とダイアログ」(仮)

(2)研究の成果(詳細略)

 開発教育とシステム思考の融合による 「構造」 認識への学びと、システム思考のものの見方考え方と 「学習する組織」(及びダイアログ) を教育へ適用することにより、人間形成と社会認識に関連して、開発教育の新しい学び(フレームワーク)と教材を確立する。

(3)研究の意義

○グローバルな人材育成を図る開発教育において、世界をシステムとして認識し、多文化が共生する社会に寄与し、問題解決能力等の高い人材育成をなし得ること

○「学習する組織」(及びダイアログ)の教育実践への適用で、教育とビジネスが共に学び合うかたちで、開発教育のみならず日本の教育のあり方への具体的提言をなし得ること

3 課題と展望

→ システム構造分析とビジョン共有アプローチの具体化

→ メンタルモデルによる社会分析

→ システム思考と融合した開発教育フレームワークの普及と教材開発

→ ダイアログとファシリテーションの関係整理による教育ファシリテーションの進展

→ 「学習する学校」 の海外事例研究と開発教育進展

→「公正」と「共生」が実現する連帯経済等の探求

→ 教材集も含めた、テキスト(副読本)作成委員会チームへの発展的解消

~ ~

 以上を柱として、2年間をふりかえった。まだまだ課題が山積みで、年度末報告は中間報告の色彩にならざるをえない。現段階で切れ目をつけることが重要と考える。

 そのうえで、グローバルな人材育成の学びとしての開発教育の深化と、広く 教育の 「ありたい学び」 確立に向けて、今後は一層具体的な研究を進めることとなった。

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