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2011年12月23日 (金)

アドバンストの学びをみんなのものに

 年度末の 「第6回開発教育研究フォーラム」 (主催:拓殖大学国際開発教育センター) の準備が始まっている。今回のフォーラムはこれまでと一味違うはずだ。それはどういうことか?

 一味違うことは、「開発教育ファシリテーター講座」 のアドバンストコースメンバーによる ”主体的な” 実行委員会形式で営まれることに象徴されている。これまでも実行委員会はあったが、今回はまったく自主的な動きなのである。

 その動きの原動力は何だろう ・・・ それは、通常コースでファシリテーターの力量を身につけた修了生が、もうワンランクアップしたファシリテーターになるきっかけづくりにしたいという想いであると思う。

 ここには、アドバンストコースで展開する新しい手法の共有がある。そして、フォーラムでの共有から、今後とも、”仲間たち” の実践を通して 「新しいファシリテーター活動」 が深められ~普及していくという願いである。

 さて、こうした動きの紹介を兼ねて国際開発教育センター ニューズレター』 に書いた原稿をここに転載したい。

 「開発教育ファシリテーター講座」 の通常コース~アドバンストコースの流れとフォーラムについて、平易に解説したものである。  (以下、転載)

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 アドバンストコースの学びをみんなのものに ~「学習する組織」 と 「ダイアログ」

参加型の学びを深める(通常コース)

 当センターの 「開発教育ファシリテーター講座」 では、参加型の学びを深めるファシリテーター養成を軸として、企業や地域社会の合意形成ファシリテーター、国際開発現場の参加型開発ファシリテーターを見据えながら講座を展開してきた。中心となる通常コースでは、前期に 「開発教育」「ファシリテーション」「地球的諸課題」 の基礎を学び、後期には、参加型アクティビティを作成し、参加者の共感や認識を深めるワークショップを企画・運営できる力量をめざして展開している。

 具体的な内容は各グループの作成するアクティビティのテーマに現れる。今年度(8期)秋合宿でのテーマを一覧すると、「貧困ってどういうこと?」「日本の今を語ろう」「世界のつながりと支援」「食の不均衡」「私たちの生活と途上国のつながり」 と多彩なテーマが並んだ。こうしたテーマを立て、それを参加型で深める学びを、私たちは 「開発教育」 としている。「開発教育ファシリテーター」 の基本は開発教育の実践能力である。

 ここでのファシリテーションは 「教育ファシリテーション」 である。「参加型開発」 のあり方に学びながら、参加型学習の本来あるべき姿として、「いかに参加者の主体的な学びを促進し学習を深めるか」 を探求し続けてきた。「自ら学び自ら考える学習」 で、生徒が楽しくあれば良しといった安易に流れがちな傾向を危惧し、それを乗り越えようとしてきた。

学習する組織とダイアログ(アドバンストコース)

 当センターは、以上のような通常コースの内容を土台とした上に、アドバンストコースを用意している。「開発教育ファシリテーター」 応用編はどのようなものを想定しているであろうか。

 私たちがめざす「開発教育」を一言で表現すれば、「座学にとどまらぬ学び」 と言えるだろう。

 私たちが受講生と共に求め続けているのは、参加型で学びを深め、深い気づきを得ることで、そこでの共感が主体的行動につながることだった。しかし、それがほんとうに行動につながっていくのか、生き方の選択につながっていくのかに関する評価は大きな課題である。

 この教育課題は、どの教育分野でも同様であり、かつその検証は難しい。本講座の場合なら、毎年青年海外協力隊に参加する受講生が出るなど目に見える部分もあるが、「知り~考え~行動する」 という3段階の学びのプロセスを念頭に置く開発教育は、問題を見い出し適切に対応できる解決能力の養成に向き合うことが重要なのである。アドバンストコースは、この教育課題に対応し、通常コースの学びを必須の前提(土台)とした更なる学びの舞台である。

 センターでは、アドバンストの 「座学にとどまらぬ学び」 の探求に2本の柱を立てている。「学習する組織とダイアログ」 およびそれを具体化する 「ホールシステム・アプローチ」(ワールドカフェやAIなど)である。

 「学習する組織」 で 「学習」 とは 「組織が最良の未来を実現するために能力を強化しつづける」 ことである。私たちは 「社会(世界)が最良の未来を実現するため能力を強化しつづける学習」 と読み取っている。特に、私たちはチーム学習のあり方に着目する。協働者と対話(ダイアログ)を通じて共通理解(合意)を得、問題の全体像(システム)を探求するプロセスである。学習できるチームは 「ありたい姿」(望ましい開発ビジョン)に向けて現実とのギャップをいかに埋めるかを探究できる。

 きわめて大切なのは対話(ダイアログ)能力だ。ダイアログとは、異なる意見をその前提から意味を紐解き、心の奥底からの調整で対立を克服していくことで、「価値観(あるいは文化)の違う者同士が、対等な関係で違いを認め合い、そこでの意味を聴き解くことで、新たな共通の創造に至ること」 と定義できる。「問題解決ファシリテーション」 の真髄である。

開発教育研究フォーラムでの共有に向けて

 当センターのスクール事業は、通常コースからアドバンストコースまでが、講座外の 「システム思考研究会」 も含めて段階的につながっている。そして、300人を超える修了生がいつでも参加できる 「学びのネットワーク」 の要となれるよう努めている。

 今年度のアドバンストコースでは、学習する組織とダイアログを学ぶなかで、その活動の対象として、8期を数える修了生たちが 「学習する組織」 として結集できないかという想いが生まれた。修了生たちが期を超えて集うフォーラムで、ダイアログを体験的に共有する場を持ちながら、修了生たちの力を再結集していく構想である。

 当センターは開発教育とファシリテーションを学ぶ人々の生涯学習の場である。さらに、単に生涯学習の場であるばかりでなく、パワーあふれる修了生たちの実践を通じて、ここ拓殖大学から先進的な学びと方法論が普及していく拠点でありたい。

  

 

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