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2011年10月30日 (日)

第5回開発教育システム思考研究会2011

 2011年度も折り返しを過ぎた研究会では、これまで1年半の研究会の歩みと結果の再確認、および、今後の展望(報告書の構成)について整理した。前回よりもさらに一歩進めた内容をまとめておく。

1 研究会の歩みと結果について

 研究会が、システム思考で開発教育を展開する際のポイントは次の視点である。

(1) 全体を俯瞰する ものの見方・考え方、および、すべての事象を循環するものとして認識する ものの見方・考え方の重要性

(2) 「学習する組織」 の諸原則(”自己マスタリー” ”メンタルモデルの克服” ”共有ビジョン” ”チーム学習”)、および、”ダイアローグ” による合意形成の重要性

(3) 現象の奥にあってパターンを生み出す構造分析の重要性 (システム思考における構造とは、単に社会現象のしくみを意味するだけでなく ”メンタルモデル” の反映)

(4) 全体像は因果関係ループ図として表現できるが、複雑な要因をすべて織り込む分析を追求しながらも、軸となる原理の探求として、シンプルに読み解くことの重要性

(5) 上に関連して、問題解決のレバレッジポイントを、原理から考察することの重要性

2 今後の展望について

 研究会は、システム思考の研究を進めることで、開発教育との融合を模索してきたが、同時に、開発教育そのものへの捉え直しも課題としてきた。

 まず、開発概念再考。”開発”=「経済成長」 と捉える (一面的ではあるが現実論でもある) 立場からの 「”開発” 批判」 にどう応えるか? 特に、”オルタナティブな開発” や ”持続可能な開発” 批判にどう応えるか?

 また、関連して、開発教育における ”共有ビジョン” とは? 特に、今日の 「構造的暴力」 をどう捉え、どう向き合うか 等。

 これらは、研究会の内容に関わる課題である。さらに、方法としては、(これはアドバンスト・コースの学習課題でもあるが)、「ホールシステム・アプローチ」 に着目している。

 http://jinonuki.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-1322.html

 もちろん、ここでの基礎は、「学習する組織」 と ”ダイアローグ” である。

 http://jinonuki.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-3e13.html

3 報告書の構成(案) について

 こうした整理のもと、研究会は、つぎのような全体構想で、システム思考(学習する組織)による教育を提言する予定である。

① 「開発教育の構造理解の現状と課題」

② 「開発教育で、”構造的暴力” にどう向き合うか」

③ 「組織論的な研究と開発教育への可能性」

④ 「学校教育における”学習する組織”実践の意義と効用」

⑤ 「”ダイアローグ” の展開とファシリテーション」

⑥ 「システム思考学習のフレームワーク」

⑦ 「対話を通して問題解決を考える教材(例)」

⑧ 「システム思考によるESD教材(例)」

⑨ 「”学習する組織”論の(学校)教育への転用の可能性」

⑩ 「日本語教育と学習する組織(システム思考)」

 これらは、開発教育の充実に向けた、そのパラダイムに関わる提言であるが、私たちは教育全般への課題提起とも考えている。

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