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2011年8月12日 (金)

『問題解決ファシリテーター』 からの歩み

「開発教育ファシリテーター養成講座」(拓殖大学) の幕開けが 2004年 ・・・。はや、8期を数える。当初から、「開発教育ファシリテーター」 とは? という根本を問い続けてきた。実は、私個人は、当時とかなり見解が変化してきている。それはどういうことか。。

と言っても、その変化は、あえて ”深化” と書いた方が適切かもしれない。

その変化は、講座の企画運営3年を経た2007年から 「アドバンストコース」 を担当することになったことを契機にしている。そして、更に3年を経た2010年から始めた 「開発教育システム思考研究会」 の活動も影響している。

まず、8年前、年間カリキュラム(30講座)を作成するに当たっての 「開発教育ファシリテーター像」 を整理しよう。講座の目標として、次の3分野と10の領域を定めた。

(1) ①「開発教育」 ②「開発経済学」 ③「国際協力」 ④「地球的諸課題」 の理解

(2) ⑤「ファシリテーション」 ⑥「参加型の手法」 ⑦「ワークショップ」 のスキルの習得

(3) ⑧「教材アクティビティ」 ⑨「ワークショッププログラム」 ⑩「学習カリキュラム」 を作成~運用する力の獲得

(1)と(2)を基礎とし、(3)に応用している。この内容は、(ファシリテーションを手段として) 「開発のあり方を考える教育、および貧困をはじめとする地球的課題に立ち向かう生き方の普及に寄与する人材」 を育成してきた、と私は考えている。

参加者は、教師に限らず、国際協力に関連する行政、NGO、大学(院)生も多かった。加えて、現役の会社員や定年退職者など多種多様な参加を得た。こうした人材の ”るつぼ” であることが、(毎年誰かが海外協力隊に旅立っていく傾向とともに) 講座の特徴である。

「教育ファシリテーション」 の構築 ・・・ これが当初からの実践的課題だった。参加型の教材、授業、ワークショップで、どのようにしたら学習者の意見を引き出し、意見交換が促進し、深い ”気づき” に至ることができるか?を参加者と共に深めてきた。

当初、私の座右の書は 『問題解決ファシリテーター』(堀公俊、東洋経済新報社、2003) であった。当時は、ファシリテーション関連の書籍はまだ少なかったが、この書には随分助けられた。ビジネス書であるが、まちづくりの合意形成など、実践の場を広くとらえ解説している。

本書は、「ファシリテーター型リーダーシップ」 の ”黎明期” にあって、日本的以心伝心スタイルや欧米型討議スタイルによる 「妥協点の調整」 を超えて、「深いコミュニケーションを通じてお互いの問題を理解し共感し合う」 スタイル、それによる 「創造的な問題解決」 を強調していた。

しかし、私がこの書の 「創造的な問題解決」 の ”奥深さ” に共鳴するようになるのは、かなり後になってからである。当初の、ファシリテーションスキルを消化吸収し、効果的に活用し、いかに ”気づき” を支援するかという課題意識では、この書の真髄に気づくことはなかったのだった。(ゲスト講師にお招きしたこともある堀氏の特別講義には共感を覚えていたのだが)

・・・ さて、幾つかのプロセスを経て、現在の私はこう考えるようになっている。

講座の追求する 「開発教育ファシリテーター」 を、(教育ゆえなのだが)、「開発のあり方を考える教育、および貧困をはじめとする地球的課題に立ち向かう生き方の普及に寄与する人材」 とするイメージは、「立ち向かう」側面をもう一歩進めるべし、と。

基礎に徹する 「通常コース」 および応用としての 「アドバンストコース」 を通して、問題解決に創造的に対処する実践の具体化が問われるべき、と。

すなわち、『問題解決ファシリテーター』 にある 「深いコミュニケーションを通じてお互いの問題を理解し共感し合い、創造的な問題解決を図る」 という、この一文こそ、その一歩の内容である、と。

・・・

「開発教育ファシリテーター」 とは何か?の思索は明日に続けよう。

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