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2011年8月13日 (土)

『問題解決ファシリテーター』 からの歩み(2)

「開発教育ファシリテーター」 とは何か、をめぐる思索を続けよう。昨日は、「開発教育ファシリテーター」 を 「開発のあり方を考え、貧困をはじめとする地球的諸課題に立ち向かう生き方の普及者」 と想定することの問題点を考えた。

実践する者の実感として問題としたのは、「深いコミュニケーションを通じてお互いの問題を理解し共感し合い、創造的な問題解決を図る」 という ”あるべき姿” とのギャップだった。

具体的に考えを進めよう。たとえば、講座は 「ファシリテーションの基本」 として次の5つの柱を設定している。

1) 場をつくり、場を読む

2) 対話を生み出し、意見を引き出す

3) プロセスをデザインし、深める

4) 議論を構造化し、まとめる

5) 対立を解消し、意思決定する

1)~4) が、参加型の授業あるいはワークショップの基本に関連している。講座は、(これらの体系は完成度を自負しているが)、この部分の技能修得に重点を置きがちである。

対して、5) は、どうだろうか?

私たちの作成したテキストでは、対立に関して、「こだわっていたものから解放され、新しいものを発見するチャンスでもある」 ととらえ、「創造による解決」 を説いてはいる。

しかし、Win-Win approach を推奨し、教材 「2頭のロバの話」(ユニセフ編 『開発のための教育』) をミニワークとしているのはどうか? 「2頭のロバの話」 は、対立せずに協力すれば両方ともエサを得るという話で、『開発のための教育』 では 「相互依存」単元に属している。対立に向き合う学びをもう少し深めたいと思う。。

実態として、講座の参加者は ”人間関係” ができており、最初から仲間同士の対立を避けて協力し合う傾向すらある。このことを、私は、社会に通用するファシリテーター養成の障害とすら考えている。

本来、「開発教育ファシリテーター」 にとっての現実には、さまざまな対立がある。そこでの相違をどのように乗り越えるか、 が問われるのである。

『問題解決ファシリテーター』 では、3つのアプローチ(「分配」「交換」「創造」)を解説している。(説得や譲歩によって妥協点を見い出す 「分配による解決」、対立のない納得を見い出す 「交換による解決」。「創造による解決」は、対立を超えた新たな道を見い出す 「創造による解決」)

私は、現実の社会問題に向き合うなかで、こうしたアプローチに精通し、特に 「創造による解決」 を模索するのが 「開発教育ファシリテーター」 の ”あるべき姿” と考える。

重要なことは、「開発教育ファシリテーター」 が最も問われるのは、社会の現実に通用する 「問題解決(および合意形成)ファシリテーター」 としての力量でなければならないということである。

このことについては、明日、まとめよう。 

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