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2011年8月20日 (土)

夏期スクーリング終了!

17-19日の3日間、「社会・公民指導法」 のスクーリングに携わった。3日間とはいえ、9:00から16:00まで、フルに1日×3を担当する。私だけでなく、参加者にとってもかなりの激務。けれども、実習を検討しながら、検討する度に深まっていく実感を持てたことで、充実したスクーリングであったと思う。

参加者は、ほとんどが、遠隔地から上京し、ホテルに宿泊して通学していた。7名と少人数だが、スクーリングならではのメンバー構成である。

スクーリングの焦点は授業実習。1日目に、講義やディスカッションで社会・公民教育の基礎・基本を押さえ、宿題となっている学習指導案を再検討し、いよいよ2日目以降に、一人ひとりの研究授業+研究協議を行う。そして、最後に、ふりかえりのディスカッション及びまとめの講義で締めくくった。

こうした内容に関して、感想文の中にこういう声があった。

「郵便でレポートをやりとりするよりも、短時間でも顔を合わせて直接やりとりすることがいかに効率的で、かつ深く学べるかを実感した。授業の流れや学校現場の話は、一人でレポート作成しているだけでは知る由もないことなので、とても勉強になった。」

冒頭の講義は、(1)原点としての初期社会科から何を学ぶか、(2)初期社会科から系統学習への流れから何を学ぶか、(3)社会科教育の実態について、(4)日本の生徒の実態について、(5)今日の 「学習観の転換」 をどうとらえるか、という内容で、今日求められている教育を、歴史的に解説。

スクーリングの焦点は、「知識を教え込む教育」 から 「自ら学び自ら考える教育」 への転換を理解したうえでの授業実習ということになる。

その後のディスカッション 「授業実践に向けての困難は何だろうか?」 では、主に、ペーパーテスト重視の教育現場の障害、参加型で単元の核心に迫ることの難しさ などが出された。こうした実感と向き合っての補足講義では、社会科を暗記科目にしてしまう 「一方的授業」、ただ考えただけに終わりがちな 「参加型授業」 の双方を乗り越えるためにどうするか、4つの評価規準を授業にどう組み込むかなどを具体的に検討。

2日目からは、参加者各自の授業が展開されたが、昼休みを挟んでの3回の研究協議の度に、協議は具体的に深まっていった。

スクーリングでは、参加型授業の基本形として、評価規準の 「知識・理解」 と 「思考・判断」 を一つの授業に組み込む 「講義型+参加型テーマ学習」 に挑戦することを実践課題とした。

ところが、参加型の授業のテーマ(ねらい) を探求する問いをいかに設定するか、そのための基礎知識をどのように精選するかに、授業構想での難しさがあったようである。

どうしても知識の面であれもこれも教えたくなる。資料は幅広く提供しつつも、授業では、それを厳選した上で、思考のための基礎知識として獲得させる丁寧さが問われた。また、問いは、単に知識を確認するレベルにとどまりがちである。授業のヤマで、ねらいを探求する ”究極の問い” を設定できる力量が問われたのだった。

そのうえで、授業は、生徒の意見を最大限に生かしていく。教師にとって、生徒の予期せぬ反応をピンチではなくチャンスにすることが授業の真髄となる。正解がひとつでない場合は、そこでの ”考える力” こそが重要なのであり、身近なところから関心を引き出すことを工夫し、かつ、意見交換を深めていく力を育成する学びが問われること、等々 ・・・。

私も、参加者と共に、思考を深める授業を模索した3日間だったと思う。

ところで、参加者の中で、現職教員は1人だけ(地歴科教諭)であった。さすがに、授業は厚みがあり、問いの設定も的確に思えた。何より、彼には謙虚さがあり、スクーリングの深化は彼の書いたものによく現れていた。最後に、その感想文を書き写しておこう。

「3日間の講義・実習で、授業のあり方やすすめ方について学ぶことができました。現職の教員でありながら、本当に恥ずかしいことに、日々の授業について、しっかりとふりかえる、また他人の授業を参観することはほとんどありませんでした。数年に一回、県教委が行う研修に行くくらいでした。とくに勉強になったことは、思考させることの大切さです。もちろん、授業において 「考えよう」 「考えてみよう」 と話すことはあります。しかし、「思考のための問い」 は意識して発していませんでした。また、「基礎知識を使って思考させる」 という点も参考になりました。知識と思考は別物ではないということに気づかされました。その他たくさんあるのですが、とても勉強になりました。ありがとうございました。今回、教員をめざす方とともに勉強できたこともとても良い刺激になりました。初心にかえって頑張りたいと思います! 本当にありがとうございました。」

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コメント

自分は当初、参加型には懐疑的でしたが、今回のスクーリングは講議とディスカッション、模擬授業を通じて自分が『考えさせられる』立場になって初めて、社会科では生徒にもこの様な環境を提供する授業が必要だと感じました。
確かに受験時の一時、生徒は暗記に頼るかもしれません。しかし大事なのはその後も生徒自身が自国の歴史や憲法等の決まり事に興味を持っていく事だと思います。
そうした意味でも、印象に残る授業の記憶が彼らには必要ではないでしょうか。
教員となった後もこの事は永遠のテーマとして捉えていきたいと思っています。三日間、ありがとうございました。

山田さん、お疲れさま!
参加型教材(「ちがいのちがい」)を活用して ”参加型” に挑戦した山田さんの授業は、他の参加者にとっても刺激的で有益であったと思います。
まさに、スクーリングのねらいを具体化した研究授業+研究協議でした。
「参加型で思考・判断を深める」 という実践課題は、簡単でないだけに、結局、一方的な知識偏重授業に安住しがちです。
山田さんのような授業研究を深めようとする若手がもっと増えることを期待したいし、日本の教育にとっても必要なことと思います。教職に就けるよう応援します。また、連絡しあいましょう。

3日間ありがとうございました。
初めて模擬授業と言う物を行い、計画はしてもその実行の難しさや、実際にやって見なければ分からない計画そのものの問題まで、色々学ぶ事の多いスクーリングだったと思います。

余談ですが自宅に無事戻りましてポストを確認した所、レポート課題4(学習指導案の作成)についてのレポートはまだ届いておりませんでした。
授業の目標などに2箇所"理解させる"と言う表現もあり、不完全なレポートだったと思って居ますが、多分悪い部分については今回のスクーリングに参加しなければ分からなかったと思います。

レポートについては来週中に届くのを気長に待つと致しまして、レポートをやりつつスクーリングを受けたからこそ、自分の理解できて居なかった部分が分かる事が出来たのかなぁと思って居ります。

3日間色々ありがとうございました。まだ暫くお世話になると思いますので宜しくお願い致します。

梶山さん、お疲れさま!
私がレポートを返送したのは15日です。事務処理次第ですが、いつ頃本人に返却されるかは私も興味ありです。(^_^)
さて、「授業は創造」 がスローガンでしたが、梶山さんのバーコードを使った税金の授業はまさに「創造」! 最初に関心を引きつけたうえで、”知識と思考のバランス” にも配慮した授業でした。
もういつでも授業できるはずですから、早く 「授業創造」 の場を得られると良いですね。

3日間ありがとうございました。とても充実したスクーリングでした。
スクーリングでとったノートを今読み返していました。「考える授業」について学んだ3日間でした。

「問題点や課題、人々の思い、願いを踏まえた問い」を発することができるようになりたいと思います。そのためには、教師自身がもっともっと思考しなければなりませんね。そして、考えた問いを生徒にぶつけていきたいと思います。生徒と教師がともに考えあう授業はとても刺激的ですね。

3日間教室の雰囲気がとてもよく、和やかでありながら、厳しく協議できたことにもお礼申し上げます。私もそうした教室づくりができたらと思います。
お世話になりました。ありがとうございました。

3日間お世話になりました。今回のスクーリングでは、少人数だったこともあり、ほぼ1時限分の模擬授業を行えたのはとても貴重な経験だったと思います。
授業のあり方に関しては、まだまだ至らないところばかりで自分の未熟さがもどかしかったですが、
何よりも授業をやることが楽しい、と思えたことが私にとっては一番の収穫でした。
授業を終えた瞬間には「もう1度やりたい」と思っていました(笑)
自分が楽しいだけでなく、生徒にとっても楽しくかつ有用な授業を創っていけたらいいなぁと思います。
チャップリンではありませんが、「1番うまくできたと思う授業は?」と聞かれたら、「Next one」と答えられるようにしたいです。

今井さん、お疲れさま!
今井さんが居てくれたおかげで、私は随分助けられたと思っています。
>生徒と教師がともに考えあう授業はとても刺激的ですね。
そう言う今井さんの感性に私は共感します。
「学習する組織」や「U理論」を教育に適用することが私の現在のテーマですが、結局、心の奥深いところで思いが交差する場づくりをどう築けるかにかかっているように思います。
これからも連絡を取りあいましょう。

松葉さん、お疲れさま!
「一番うまくできた授業は」と問われて 「Next one」 ですか。。
「授業に完璧はない。けれども、私たちは教師はそれを求め続ける」 と話しあったけれど、この言葉はピッタリで使えますね! (^_^)
同じ埼玉で教師になるのでしょうから、松葉さんのセンスが生きるように願っています。
朗報を待ってますよ!

レポートの結果が届きました。

小貫先生、そして他の皆様、以前話して居りましたレポートの結果が無事に本日届きました。

この場をお借りして提出から返却までのタイミングについて纏めさせて頂きます。

【レポート提出から返却まで】
課題1レポート 5月6日提出→事務受付5月10日→レポート返却消印6月13日→自宅到着6月14日  事務受付から返却消印まで35日
課題2レポート 5月10日提出→事務受付5月13日→レポート返却消印6月13日→自宅到着6月15日  事務受付から返却消印まで31日
課題3レポート 5月11日提出→事務受付5月13日→レポート返却消印6月13日→自宅到着6月15日  事務受付から返却消印まで31日
課題1再レポート 6月16日提出→事務受付6月17日→レポート返却消印6月29日→自宅到着7月1日  事務受付から返却消印まで12日
課題3再レポート 6月21日提出→事務受付6月24日→レポート返却消印7月26日→自宅到着7月27日  事務受付から返却消印まで32日
課題4レポート 8月1日提出→事務受付8月4日→レポート返却消印8月22日→自宅到着8月24日  事務受付から返却消印まで18日

以上のような結果となりました。
これまで12日~35日と非常に幅のある結果となっております。
(注>事務受付から返却の消印までの日数ですので、実際に学生が提出をしてから手元に届くまでには15日~40日程度かかっています)

今回のレポート課題4では先生が15日に返却頂いたと言う事で、郵送で事務に到着が17日頃でそこから発送まで3日程度(土日がある為実際には5日)かかっているような感じに見受けられます。


なお、レポートが4本とも合格となりましたのでスクーリング受講生の中では一番最初に単位修得論文に挑ませて貰う事となると思いますが、宜しくお願い致します。

梶山さん、詳細な情報をありがとうございます。
添削者には2週間以内の返却が要請されています。
提出から返却までの期間は、その前後の事務処理各1週間を加えて、
1ヵ月が基本のようですね。
順調にいけば、全体が半分程度短縮されて2週間も可能ということかと。
私も、できるだけ1週間以内に返却しようという動機づけになりました。(^_^)
では、単位修得論文でお会いしましょう!

ご無沙汰しております。梶山です。

単位修得論文の結果が9月21日に届きました。
無事合格を頂きましてありがとうございます。

さて、そしてそれを踏まえて事務局に学力に関する証明書を請求し、無事発行して頂きました。

今月中に証明書を教育委員会に持参し、高校1種公民と中学2種社会の教育職員検定を別表第4にて申請いたします。
(現在は健康診断書等の取得中です)

また免許申請しましたらご報告させて頂きます。ありがとうございました。

梶山さん、連絡ありがとうございます。その後もお元気そうで何よりです。
いよいよ正式に資格取得ですね。「検定」といっても、実際はもう峠を越えたといって良いはず。。
梶山さんはレポートが目立っていて、スクーリングで初めて会ったとは思えなかったですが、模擬授業も個性的な魅力があったと思います。
スクーリングを経て、ますます授業づくりの力に磨きがかかったはず。教育への意欲を存分に発揮していってください。(^_^)

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