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2010年10月 2日 (土)

第5回 開発教育システム思考研究会

当研究会の後期からの「再スタート」。体調不良等のさまざまな理由で不参加が出て、再スタートとしての盛り上がりには欠けたのですが、内容はそれなりに収穫があったと思います。

前半は、ユニセフの開発教育教材 「貧困の悪循環」 の検討。

国連の4大テーマ (平和・人権・開発・環境) について確認したあと、「開発(貧困の克服)」 についてワーク。

まず、「貧困」 について、ユニセフの貧困カードを参考にしながら参加者のイメージをブレーンストーミングし、ウェビング状にまとめました。さまざまな貧困の要素が出ました。

次に、貧困の克服としての「開発」とはどんなアクションが望ましいのかを検討。(「開発とは何か」ランキング)

検討のプロセスはこうして、「貧困」を考え、それを前提に「開発」について自分の考えを整理した上で、貧困カードの相互関連を ”見える化” して行きました。この貧困カードによって相互関連を見ていくうちに、貧困が悪循環することが見えてきます。これはまさに、システム思考ループ図の具体例です。

そこで、各自の「開発」アクションの優先順位によって、その悪循環を断ち切ることを検討しました。この断ち切るポイントがレバレッジポイントということです。開発によって、悪循環が好循環になることを探るのですが、更に、そのためにはどんな条件が必要で、どうしたら良いかを検討することになります。

このワークは、システム思考の教材なのですが、今回は少し欲張って、「有効な開発」 を考えることで、そもそも 「貧困」 とは? そもそも 「開発」 とは? までも考察しようとしました。

けれども、これには無理がありました。「貧困の悪循環」が描いているのは金銭的欠乏なのに対して、私たちの 「開発」 概念は、経済開発ばかりでなく、精神的貧困や社会的関係性の欠如等、より広義な内容を含んでいるので噛み合わないのです。

むしろ、その噛み合わないところにスポットを当ててワークすることで、新鮮な気づきや有効な考察を得ることができるのではと感じました。新しい 「貧困の悪循環」 の教材が必要という声も出ました。

後半は、今後の研究会の方向の確認。

これまで4回の研究会は、システム思考とは? から始まり、ゲスト講師をお呼びして、因果関係ループ図の理解を軸に進めてきましたが、今後は、システム原型研究~学習する組織論研究~共有ビジョンの研究~開発問題とシステム思考研究という流れが確認されています。最終的には、「システム思考で考える開発教育」 という ”新しい学び” に挑戦していく構想です。

システム思考そのものの研究は、システム原型研究で総括する方向です。その意義は、システム思考の考察は情報量によって限界を受けることが明らかですので、情報量を無限に増やそうとするよりも、逆に情報量を必要最小限に制限する考察にならざるをえないことがあります。それを有効にするためには、システム原型による一般化が不可欠ということです。そして、それを開発教育のテーマとからめて総括することを重視しています。

もうひとつ、テキストの著者・高橋先生から、システム思考を深めるための方法論を得ています。それは、(1)現状把握および(2)理想把握の時間軸によって使い分けをするというものです。

(1)はSWOT分析であり、重要なのは 「複数の従属変数(結果)を従えている独立変数(原因)を見つけ出す」 ということのようです。これが、レバレッジポイントを特定するワークになります。(2)は将来のありたき姿を(好循環)ループ図に表現しますが、ここでは、現実とのギャップを検討することになるでしょう。

実はこうした内容はテキスト第5章に関連しています。研究会はテキスト第4章まで進んでいますが、最終的まとめを兼ねて、第5章を検討することが有効であるということになりました。システム原型研究は、テキストと同時並行で進めていきます。

文献の観点からまとめると、

今後、テキスト『問題発見力養成講座』 の輪読を再開し、次回は第5章を読み込む。

同時に、サブテキスト『システム・シンキング入門』第4章を軸にシステム原型研究を組み入れていく。『システム・シンキング トレーニングブック』 や 『入門!システム思考』 などを参考文献とする。

そのあとは、『最強組織の法則』 に入ります。こうして、当初予定のテキスト関連3冊をフル活用することになります。今後の参考文献や来年度テキストとしては、『経済成長なき社会発展は可能か?』 や 『国際開発論』 などを検討しました。

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