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2010年9月 6日 (月)

子どものための日本語指導者養成講座(7)

いよいよ残り2回となった 「子どものための日本語指導講座」。今回は、前回の 「小学生への教科の指導法」 に続いて 「中学生への教科の指導法」。指導者の小川先生は中学校の現場教師。東京学芸大国際教育センター 「JSLを生かした外国人児童生徒教育指導者研修」 などの講師でもある。いろいろな意味で考えさせられましたが、その中身とは?

講座は、中学生への支援の全体像として、(1)学校生活への支援、(2)日本語学習支援、(3)教科学習支援、(4)進路支援、(5)母語・母文化保持とアイデンティティ支援、(6)仲間づくりと自己肯定感を育てる場と活動支援、(7)学校全体への働きかけと国際理解教育、と7つの分野をあげた上で、今回のテーマは(3)であることが前提。

モデルプランが紹介されました。最初に中学卒業時をゴールとして設定し、そこから逆算して、日本語が不十分な入学生に対し、3年間でどこまでできるかの実施計画。。なるほど、相当な頑張りが要求されるも道理。

その実施計画をモデルとして、できるだけ支援したいというスタイル。ですから、どうしても 「受験指導」 の色彩が濃くなっています。教科指導から受験指導に関するコツまで含めて、まさに 「至れり尽くせり」 。日本人が海外の現地校でこれだけ面倒をみてもらえたら、と考えると凄い!(笑)

もちろん、授業は単なる 「受験指導」 に陥っているわけではありません。授業のあり方としては、教科指導法の本質を踏まえていると受けとめました。地理の授業のビデオを視聴しましたが、「導入」での、視覚に働きかける工夫、予測させることなどで子どもたちの興味・関心を引き出し、「展開」での認知構成で、概念の理解を工夫し、発言の機会を与えながら学習内容を認知していく流れ。さらに、「まとめ」で、資料にあたりながら整理していくなど。グループで友だちと協力しながら、自分で調べる、時間不足は宿題で補うという構成は見事です。

私なら、判断が微妙な概念(宗教など)をもう少し丁寧に扱ったり、質問の時間で更に深めたいなどとも感じましたが、この実践事例に学ぶことも多々。

どうやら、テキストは 『みんなの日本語 初級1』 が基本書。JSLカリキュラムに関しては、「考え方は素晴らしいが、現場では使いにくい」 との評価。残念ながら、JSLの指導案のテーマ学習で深める方向のお話は聞けず。。

NGOの子どもたちへの指導は、一人ひとりの段階がバラバラで、ここまで計画的な指導は不可能でしょう。また、高校定時制の先生が、ここまでやっていただいても、高校では中退してしまう子が多い。そうしたことに対応する基礎教育とは?と問題提起していたのが印象に残ります。まさにここに、中学での指導と高校での実態とのギャップが存在し、難しい課題が残っていることを痛感します。「求められる知識量」 に対する 「本当の学力とは」 の問題です。

その意味では、課題の残る、だからこそ学びの大きかった第7回でした。。

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