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2010年8月21日 (土)

子どものための日本語指導者養成講座(5)

講座はいよいよ 「実践編」 に入りました。「初期指導の実際」 ということで、中国帰国者定着促進センターの斎藤先生のお話でした。

まず、私は、センターのねらいに着目。「センターでの研修の目指すもの」 として、異文化適応教育としての日本語・日本事情教育=異文化間「調整」能力 と 帰国/来日 当初の ”予備的集中教育” から ”生涯学習” へ (ライフステージに応じた学習支援) の2つをあげています。特に 前者が興味深いと感じます。この内容に関して、センターは次のように定義しています。

・・・ ここでいう 「適応」 とは、決して日本社会への同化を指すのでなく、「異文化の環境において環境との相互作用のもと、自己実現を目指す過程」 を指しています。したがって、センターでの教育目的は、単に道具としての日本語や日本の生活習慣の伝授ではなく、異文化の地、日本における学習者の自己実現を支援することにあります。

これは見事な定義だと思います。そして、どれだけの学校がこうした 「適応教育」 を実践できているかは疑問だと思います。それだけの余裕はないのが現実ではないか? 私たちが日本語教育で心得るべきは、まずはこうした 「多文化共生の原理」 ではないかと思われます。

センターでの具体的な指導内容は、4つのプログラムとして示されました。A.行動プログラム、B.ことばプログラム、C.学科プログラム、D.交流プログラム です。前回の池上先生の指導内容と整合させると、A.は 「サバイバル日本語」、B.は 「日本語の基礎」と「技能別日本語」、C.は 「日本語と教科の総合学習」と「補習」 ということになるでしょう。

初期指導の実際としては、特に、意味ある文脈のなかで実際的に学んでいくことの重要性が強調されました。50音やことばを覚えるにも、具体的な場面をいかにつくるかを意識して、小さなステップを螺旋的に積み重ねていく工夫が例示されました。

そのうえで、一人ひとりに応じて、いかに読み書きの基礎をつくるか、教科の学習にどうつなぐかが課題とされています。このあたりの木目の細かさは想像以上でした。

次回以降は、教科指導の実際に入ります。

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