« 5月の議論(1)~開発教育は座学か? | トップページ | 第2回 研究会(1)~システム思考演習 »

2010年6月 3日 (木)

5月の議論(2)~因果関係ループ図の疑問点

研究会での5月の議論のひとつは開発教育自体に関する問題提起でしたが、もうひとつは、システム思考における「因果関係ループ図」に関する基本的な疑問点です。ここでは、それについて整理しておきます。

そもそも、私たちになじみのあるKJ法との比較では、システム思考は、(1)因果関係ループという「輪」の概念があること、(2)時間的概念があること、(3)レバレッジ・ポイントの概念があること、などに違いがあるとされます。研究会では、これらを十分に理解することが重要なのですが、「因果関係ループ図」を描く段階での疑問点は以下の通り。

1.内部変数と外部変数をどう定義するのか。・・・これは、あるシステムの内側と外側をどう捉えるかに関わります。研究会のテキスト(『問題発見力養成講座』)の著者・高橋浩一氏は、別の書で、その境界を定める難しさを書いています。

2.構造レベルの変数の妥当性をどう考えるか。あるいは、変数のレベルで、事象レベルと構造レベルが混在していてループを完結できるのか。・・・テキスト第2章の例では「終身雇用」が変数になっていることに対して、増減の変化をイメージしにくいが妥当かの疑問が出されています。

3.因果関係ループを複数作成する場合の考え方をどう理解するか。・・・テキスト第2章の「人事システムの改革」の例では、旧人事システムと新人事システムを組み合わせているのですが、組み合わせて循環サイクルにする手順が難しいと思われます。

4.因果関係を描くのに必要な変数を、テーマによってどのように考えて選択するのか。そこに恣意的な要素をどう排除できるか。・・・また、変数間の因果関係の判断も、描く人の仮定を反映してしまうリスクをどう排除できるかも気になります。

まだ、第1回の研究会(オリエンテーション)が終わったばかりの段階なので、これらは初歩的な疑問なのでしょうが、これらを丁寧に検討していくのが、研究会の現在の方向性です。

次回、第2回(6/5)では、まず、ロジカルシンキングからシステム思考に発展させていくショートケースを体験的にワークし、さらに、システム思考(因果関係ループ図)に関して基礎からの理解を進める予定です。

« 5月の議論(1)~開発教育は座学か? | トップページ | 第2回 研究会(1)~システム思考演習 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559271/48531946

この記事へのトラックバック一覧です: 5月の議論(2)~因果関係ループ図の疑問点:

« 5月の議論(1)~開発教育は座学か? | トップページ | 第2回 研究会(1)~システム思考演習 »