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2010年6月 6日 (日)

第2回 研究会(2)~テキスト第2章をめぐって

開発教育システム思考研究会第2回前半のワークは非常に活気ある学びの時間でしたが、後半も活気ある意見交換の場となりました。ここでは、後半(および夜の部)について整理します。内容は、テキスト輪読における第2章の内容とその後の自由討論です。

3.テキスト(『問題発見力養成講座』)第2章「着眼大局の基本ルール」について・・・担当(安藤さん)を決めて進めましたが、研究会はメンバー各自がレジュメを持ち寄っているので、全員のレジュメをもとにポイントをまとめておきます。

3-1 システム思考とは(目的と手段)・・・システム思考は問題の根本原因を探すためのものの見方考え方。内部環境と外部環境を構造的に把握(SWOT分析が有効)した上で、最重要課題(レバレッジポイント)を発見するまでの思考プロセス。問題に関わると思われる事象の因果関係を時間的推移を考慮に入れながら因果関係ループによって明らかにする。因果関係ループは、その循環構造のどの要素に働きかければ、構造全体に大きな影響を与えられるかを考えるためのツールである。

3-2 システム思考のメリット・・・①課題を大局的に眺めること、②複雑な要因間の因果関係の把握に役立つこと、③全体から問題解決の重要要因を発見できること、④コミュニケーションに役立つ図解ツールであること、⑤拡散した要素間の新しい組み合わせとしてアイデアメソッドとなること、⑥課題解決に向けロジックツリーを副次的に活用できること。

4.自由討論・・・非常に活発な意見交換で、各自の思いを自由に出し合う時間となりました。今回の議論の軸は「開発教育とシステム思考の関係性」です。そこでの視点は、開発教育の眼でシステム思考をどう見るかということになります。当然に、開発教育の現状をどう見るかにも関わります。開発教育は「知る-考える-行動する」というプロセスをもつ学びですが、さまざまな意見をそのフレームで整理することができるように思います。

4-1 開発教育への導入の可能性・・・開発教育のテーマ学習でシステム思考をどう使えるかを考えてみる →生徒のモチベーションに関するSWOT分析、「フェアトレード」・「森林破壊」・「プランテーション」をテーマにした因果関係ループ、「貧困の悪循環」のSWOT分析とレバレッジポイント →バランスループが難しい、「貧困の悪循環」の分析はシステム思考でより精緻に分析できる可能性がある。

4-2 開発問題をどう「伝える」か・・・より質の高い開発教育実践を考える →前提として「興味をもってほしい」という願いがあること、「伝える」のに単なる事象レベルをどう深めるか(例えばフォトランゲージでは、時系列で見る視点の導入など) →発達段階に応じた伝え方を考慮する必要性。

4-3 開発教育でどう「考える」か・・・現状を知って考えたいのは「構造レベル」 =根本的原因としてのしくみを見える化すること →これをどう捉えているかが研究会の優先課題でもある →そこから発達段階での考察をどう段階づけるか。

4-4 開発教育でどう「行動」につなぐか・・・問題の根本原因を探すのに、全体を大局的に分析して最重要課題を発見しようとするシステム思考は有望 →発達段階に応じた行動をどう考えるか →構造やしくみをそのままにしておいての行動は有効なのかが問われるが、構造やしくみの社会変化につながる方策はありうる。

<参考> 「夜の部」に残ってくれたメンバーとの「ふりかえり」。。

研究会にとって何のためのシステム思考か?・・・開発教育における構造的理解というとき、それは「システム思考で開発問題を分析していくこと」なのか、「開発教育の手法としてシステム思考を導入すること」なのか。研究会の方向性をはっきりさせるべき。その際、研究会は、開発教育の考える「あるべき姿」をどのような価値基準でどのようにイメージしているのかの共有も必要だろう。

「学習する組織」の視点・・・「伝える」段階で「興味・関心を持つ」ことを重視することは意味深い。そのことは、センゲのいう「学習する組織」を志向することにつながる。学びの場が「開発教育を学習する組織」にならなければ、そこでの真の学びは成立しないだろう。

・・・今回、第2章の読み込みを通して、開発教育とシステム思考に関するさまざまな課題が明らかになったと思われます。今はまだ「拡散」の状態ですが、メンバーの活発な意見交換の中から「収束」への手がかりも見えてきました。ここが正念場です。最後に、これまでの意見交換から見えてきた研究会のあり方について整理します。

(つづく)

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